ナースマガジン vol.35
達人に訊く!人工呼吸器装着患者のリハビリここがポイント!
投稿日:2021.05.17
人工呼吸器を装着している患者のリハビリはどのように進めていけば良いのか、リハビリを進めて離床を促すタイミングも迷いますよね。新型コロナウイルス感染症の流行により、人工呼吸器を装着している患者も多くなってきたのではないでしょうか?今号では呼吸リハビリの達人に、看護師が気を付けていかなければならないポイントをお訊きしました。
人工呼吸器を装着している患者は、鎮静管理と鎮痛管理、どちらも行っていると思います。一般的に、鎮静管理に関してはプレセデックスやプロポフォール・ミタゾラムなど、鎮痛管理に関してはフェンタニルなどの医療用麻薬を使用しながら管理していきます。
ベッド上の患者に、看護師がポジショニングやドレナージのための体位変換を行うのは皆様ご存じかと思います。なぜ、仰臥位のままではいけないのでしょうか?肺は面積が広い背面に分泌物が多く溜まるため、機能的残気量が減ることで換気効率が下がってしまいます。そのため、できるだけ早期の離床を図ります。
バイタルサインが安定し、鎮静管理がコントロールできている場合は、各施設の基準に沿って呼吸器離脱に向けたリハビリを行っていきます(図1)。リハビリ開始の意識レベルとしては、RASS-1~2、できれば0~+1までコントロールできると自らの意志でリハビリに協力できるようになります。
ベッド上の患者に、看護師がポジショニングやドレナージのための体位変換を行うのは皆様ご存じかと思います。なぜ、仰臥位のままではいけないのでしょうか?肺は面積が広い背面に分泌物が多く溜まるため、機能的残気量が減ることで換気効率が下がってしまいます。そのため、できるだけ早期の離床を図ります。
バイタルサインが安定し、鎮静管理がコントロールできている場合は、各施設の基準に沿って呼吸器離脱に向けたリハビリを行っていきます(図1)。リハビリ開始の意識レベルとしては、RASS-1~2、できれば0~+1までコントロールできると自らの意志でリハビリに協力できるようになります。
リハビリの流れとしては①ヘッドUP、②端坐位、③立位の順に進めます(表1)。もし鎮静管理がコントロール不良で、意識レベルの上昇が見られず、リハビリが進められない場合は、腹臥位療法を行うと背面の無気肺の改善、分泌物のドレナージなどにつながります。マンパワー不足で腹臥位療法が実施できない場合、前傾側臥位も腹臥位療法に近い背側換気効率の改善や分泌物のドレナージなどの効果が得られるので行ってみてください。人工呼吸器を装着している患者のリハビリのマンパワーの問題として、医師や看護師、PTなど、必須の職種に決まりがあるわけではありません。
人工呼吸器を装着している患者で1番起きてはいけないトラブルの1つが、気管チューブの予定外抜去です。気管切開をしている患者は気管切開孔を作って2週間以上経過していないと瘻孔が出来上がっていない状態なので、万が一抜けてしまうと再挿入できない、または皮下に迷入してしまう可能性があります。そのため挿管をしている患者、気管切開で人口呼吸器をつなげている患者のリハビリは、回路を保持する人、患者を前から支える人、最低3人いれば安全に行えると思います。
ただし、リハビリを行う際は必ず医師の指示を確認し、PTとコミュニケーションを図り協力しながら実施しましょう。
ただし、リハビリを行う際は必ず医師の指示を確認し、PTとコミュニケーションを図り協力しながら実施しましょう。
新型コロナウイルスの感染経路は飛沫感染が主だと言われています。
人工呼吸器を装着している患者ケアを行っている医療者は、直接患者に触れて様々なケアを行っていくため感染リスクが高い状態です。エアロゾルに注意し、患者も自分自身も感染予防を行っていきましょう。
人工呼吸器を装着している患者ケアを行っている医療者は、直接患者に触れて様々なケアを行っていくため感染リスクが高い状態です。エアロゾルに注意し、患者も自分自身も感染予防を行っていきましょう。
引用文献
新型コロナウイルス肺炎患者に使用する人工呼吸器等の取り扱いについて ̶ 医療機器を介した感染を防止する観点から Ver.2.2
一般社団法人 日本呼吸療法医学会 公益社団法人 日本臨床工学技士会〈 https://www.jsicm.org/news/upload/COVID-19-ventilator-V2.2.pdf〉
新型コロナウイルス肺炎患者に使用する人工呼吸器等の取り扱いについて ̶ 医療機器を介した感染を防止する観点から Ver.2.2
一般社団法人 日本呼吸療法医学会 公益社団法人 日本臨床工学技士会〈 https://www.jsicm.org/news/upload/COVID-19-ventilator-V2.2.pdf〉
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