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ナースの星WEBセミナー編集部レポート

宇都宮宏子先生 WEB退院支援塾 第4回 地域・社会資源との連携・調整 ~第三段階・退院を可能にするための制度・社会資源への調整を行う~

在宅での生活を支援するために

 退院支援の第3段階では、訪問看護・在宅医療におけるサポートおよび環境調整、生活支援・ケアサポートの調整が中心になります。在宅療養を支援するサービスと社会保険制度について、また在宅療養指導料のポイントなどを理解しておくことが必要です。

 初めて介護保険を利用する際は、地域包括支援センターとの連携がスムーズに行えるよう、事前の準備と調整をしっかり行いましょう。様々な職種の知識サポートが加わることで、より多くのメリットを引き出すことができます。医療・生活、それぞれの担当窓口を明確にしておくことが、円滑な連携サポートにつながると思います。
 「65歳以上の人は病気がなくても老衰だけでも介護保険が使えます。介護保険の場合は当然地域包括支援センターの方が管轄になります。しかし、既に介護認定が下りていてケアマネジャーさんが関わっている場合は担当しているケアマネジャーさんへの連絡が必要になります。障害者総合支援法の場合もサービスを使っている場合は既に相談支援員がついている方もいますが、全国的にもこの相談支援員になっている人が少ないということもあってまだまだケアマネジャーの動きになっていないんじゃないかなと。保健所の保健師さん、特に難病であったり小児であったり精神に関するところは保健師さんと相談することが多いかな。介護保険の場合は既に認定区分がついている場合は早い段階から展開していきますが、新規の場合はスムーズに申請して認定が下りるまで問題があるかな…と。一応申請から認定まで一か月以内にしましょうとなっているんですけれどもコロナの状況によって時間がかかっていると思います。」と宇都宮先生。

 私も保健師として地域包括支援センターで働いていた時、訪問・窓口含め、様々な方に対応していました。本人・家族の理解がある方は申請をしてうまくサービスを受けられる方もいますが、認知症が進行している独居の方や家族間に問題がある方は、病院に入院しているときから医療者が気を付け、在宅に戻れるように支援した方が良いと感じたことがあります。

 宇都宮先生が「意外と健康保険は入っているんだけれども、介護保険のお金払ってませんという状況が、病院では時々出ておりまして・・・、あとは住所不定であったり身寄りがない、家族間の問題であったりとか虐待の可能性がある、というのはなかなか最初の入院時のチェックシートだけでは、聞き取りをすることは難しいです。ですので、三日目・四日目のアセスメントで何か心配なことはあるんじゃないか?とか、それまでの入院までの暮らしや、家族背景から予測し、聞き出すことも大事になります。今後この辺りは主にソーシャルワーカーが関わってくることが多いのかなと思います。」と。

 ここの部分は保健師の時に何回も経験しました…。経済面で問題がある方、私が担当した利用者さんは認知症があって身寄りもない。区役所まで一緒に付き添い、生活保護の申請をし、介護保険のサービスも入れ、その方が生活できるようにサポートしました。また、いわゆるごみ屋敷のケースでは、息子が発達障害でそれを母親がかばっていました。しかし、その母親も高齢になってきて家中はゴミであふれ、息子は母親を怒鳴って近所にも心配されていた状況でした。その方は中々申請までもたどりつけませんでしたが、何年もかけて地域のボランティアと協力し、見守りは続けていました。

 すぐに介護保険の申請に結びつかなくてサービスが受けられなくても、その方がその地域で過ごしていくことを希望する限り、地域の住民と協力し、見守っていくことも円滑な連携サポートになるのではないかと考えさせられました。

 宇都宮先生が「大事なことはその患者さん・家族にどんなケアや在宅医療が必要かをアセスメントした上で、マッチングということがポイントになってくる」といわれたように、患者・家族にもタイミングがあります。医療者だけのタイミングではなく、患者・家族・地域も含めたタイミングに合わせていくことが必要だと思います。

(編集部ナース:熊杏里)

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