ナースの星WEBセミナー編集部レポート
宇都宮宏子先生 WEB退院支援塾 第3回 『受容支援と自立支援-第2段階:生活の場に帰るためのチームアプローチ-』
投稿日:2021.04.05
東京都退院支援マニュアルの活用
退院支援の第2段階では、東京都退院支援マニュアルについて取り上げられました。これは宇都宮先生がマニュアルの作成に携わった101ページある大作で、検索すると全ページをダウンロードできるようになっています。
2016年の改定版では、「退院支援は、入院医療機関のみではなく地域と連携した取組」であることを明確に打ち出しており、「入院医療から暮らしの場へ移行する際は、課題を医療とケアに分けて整理・マネジメントすることが重要です。」と宇都宮先生は語られました。
そして入院前もしくは発症前との違い(ギャップ)を明確にした上で、意思決定支援、方向性の共有、療養環境の準備・調整を始めるために、東京都退院支援マニュアル内の34~36ページにある医療とケア2種類の初期アセスメントシートの活用を提唱しています。
東京都以外でも参考にできる内容ですので、全国の退院支援に関わる看護師さんはぜひ参考にされてみてはいかがでしょうか?
これらのアセスメントの結果を踏まえて、チームで行う在宅移行支援としての“おうちへ帰るための視点”や退院調整を共有していくことが重要になります。
2016年の改定版では、「退院支援は、入院医療機関のみではなく地域と連携した取組」であることを明確に打ち出しており、「入院医療から暮らしの場へ移行する際は、課題を医療とケアに分けて整理・マネジメントすることが重要です。」と宇都宮先生は語られました。
そして入院前もしくは発症前との違い(ギャップ)を明確にした上で、意思決定支援、方向性の共有、療養環境の準備・調整を始めるために、東京都退院支援マニュアル内の34~36ページにある医療とケア2種類の初期アセスメントシートの活用を提唱しています。
東京都以外でも参考にできる内容ですので、全国の退院支援に関わる看護師さんはぜひ参考にされてみてはいかがでしょうか?
これらのアセスメントの結果を踏まえて、チームで行う在宅移行支援としての“おうちへ帰るための視点”や退院調整を共有していくことが重要になります。
暮らしの場へ戻る具体的な生活をイメージする
私が前職で大学病院に勤務していた時は、がん患者さんやシャントを造設し透析を受ける患者さんが多い病棟で、2交代制の夜勤専従として働いていました。夜勤は毎回、止まないナースコールと手術・透析からの戻りや抗がん剤投与、そして認知症やせん妄・不穏、急変対応などが基本的な日常のケアにプラスされ、落ち着く暇もなく常に走り回っている状態でした。
患者さんと関わる時間の長い夜勤ですが、しっかり向き合って話をする時間は持てない上、夜勤専従となると直接退院支援に関わる機会が一気に少なくなります。主に日勤看護師が退院に向けての情報収集やMSWとのやり取りと本人と家族への指導を行い、夜勤帯では夜間に必要な指導を行うのが精一杯でした。それに加え、MSWとお会いし話す機会もないため、夜勤主体の私は退院支援への意識が薄かったのが現状でした。
今回編集部としてこの退院支援塾を聴講させていただき、宇都宮先生より「患者さんが暮らしの場へ戻っていくにあたり、具体的に生活をイメージできるのは日々患者さんに接している病棟看護師」だと語られていたように、病棟看護師は入院患者さんにとって、一番身近な医療者なのだということを再認識しました。夜勤は勤務も常に慌ただしく、退院に向けて関われることは少ないと思っていましたが、夜間得られる情報はたくさんあります。生活リズムやトイレに起きるタイミングと歩行時のふらつきの有無、患者さんが何気なく話した一言など全てが退院後、在宅で暮らすイメージに繋がる情報です。夜勤から日勤へ、“点”として情報を引き継ぎ、日勤で全体像を掴むことで“点と点”を結んで、退院の具体的な生活をイメージし多職種と退院に向けて考えていくことで“点から線”につないでいたのだなと思いました。
患者さんと関わる時間の長い夜勤ですが、しっかり向き合って話をする時間は持てない上、夜勤専従となると直接退院支援に関わる機会が一気に少なくなります。主に日勤看護師が退院に向けての情報収集やMSWとのやり取りと本人と家族への指導を行い、夜勤帯では夜間に必要な指導を行うのが精一杯でした。それに加え、MSWとお会いし話す機会もないため、夜勤主体の私は退院支援への意識が薄かったのが現状でした。
今回編集部としてこの退院支援塾を聴講させていただき、宇都宮先生より「患者さんが暮らしの場へ戻っていくにあたり、具体的に生活をイメージできるのは日々患者さんに接している病棟看護師」だと語られていたように、病棟看護師は入院患者さんにとって、一番身近な医療者なのだということを再認識しました。夜勤は勤務も常に慌ただしく、退院に向けて関われることは少ないと思っていましたが、夜間得られる情報はたくさんあります。生活リズムやトイレに起きるタイミングと歩行時のふらつきの有無、患者さんが何気なく話した一言など全てが退院後、在宅で暮らすイメージに繋がる情報です。夜勤から日勤へ、“点”として情報を引き継ぎ、日勤で全体像を掴むことで“点と点”を結んで、退院の具体的な生活をイメージし多職種と退院に向けて考えていくことで“点から線”につないでいたのだなと思いました。
訪問看護師と病棟看護師の連携や、病棟看護師の在り方について今一度考える機会をいただけた宇都宮先生の退院支援塾、新人看護師さんにもぜひ受講いただけたら嬉しいです。
(編集部ナース:佐藤)
(編集部ナース:佐藤)
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