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長岐 祐子先生の口腔ケアコラム第11回

危険な間食習慣

 私の母は80歳です。父が7年前に亡くなり、最近は「早くお父さん呼んでくれないかな」と、真顔真声で言うことがあり、ドッキとさせられます。

 先日母と二人で買い物に出かけました。近所の道を歩きながら「こんな所にマンションが建つんだ~」なんて、よそ見しながら歩いていたら、突然「痛い!」という母の声。

振り向くと母の姿はなく、一瞬何が起こったのか頭が真っ白になりました。

よそ見をしながら歩いていた母は、電信柱にいきおいよくぶつかり、地べたに倒れていました。

幸い大した怪我もなく、右上の糸切り歯周辺の粘膜を咬んでしまい、血が出ていただけでした。
 確かに外見は若い若いと人から言われても、体力、気力は日に日に落ちてきているのが娘の私にも痛感した出来事でした。

「ぴんぴんコロリ」なんていう方がいますが、さっきまで元気だった母が振り向いたら、亡くなっていた・・・なんて事も、あり得るのだと覚悟しながら毎日を過ごさなくてはいけないとも思いました。
 そんな母は、最近「炭酸飲料水」「アイスクリーム」に凝っています。甘いものは昔から好きでしたが、なぜか寝しなにこれらを飲食したがるのです。

その上、歯磨きせずにそのまま寝る「まるで乳児がミルクを飲んで寝るように」です。

こんな間食を私の気が付かないところで(私は毎晩帰宅が遅いため)半年くらい続いていたのでしょうか、結果はムシ歯や被せ物が取れるなどの症状から、歯科受診をし、なぜそうなったか私が検証したことで、この危険な間食習慣に気が付いたのです。

 実は昨年度88歳で亡くなった母の姉は、認知症の悪化に伴い、飴を自分で買いに行って一日1袋(30個)は飴を食べるという、非常に困った間食習慣がありました。

結局、この姉は胃を痛め入院、永眠となってしまいました。

 口腔衛生も重要ですが、いつもと違う間食習慣が伺えたら、そばにいる人は、間食は一方的にダメだと言わず、その食べる量や、食べた後の、歯磨きケアーをするよう優しくアドバイスをして上げて下さい。

優しく接することが、スムーズなコミニケーションの始まりです。

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