ケースレポートの書き方
ケースレポートの書き方2 「事例を決め、展開を考える」
1 事例を決める
あなたは看護を通して「患者さんの症状がよくなった」、「患者さんが○○できるようになった」など嬉しい経験をしたことがあるでしょう。あなたが特に関わった事例ならその嬉しさはひとしおです。
反対に、一生懸命に関わったのに、いい結果が得られなかったという苦い経験もあることでしょう。ケースレポートで扱う事例は、患者さんの結果が良いとか悪いとかは問題ではありません。
重要なのは、あなたが十分に関わった事例であることと、しかも「書きたい」「残したい」と強く思える事例だということです。
反対に、一生懸命に関わったのに、いい結果が得られなかったという苦い経験もあることでしょう。ケースレポートで扱う事例は、患者さんの結果が良いとか悪いとかは問題ではありません。
重要なのは、あなたが十分に関わった事例であることと、しかも「書きたい」「残したい」と強く思える事例だということです。
2 事例の何を書きたいのか明らかにする
たくさんの関わりをもった事例は、思い出がぎっしりで、あれもこれも書いておきたいという気持ちになるでしょう。でも、雑多な情報を羅列してもケースレポートにはなりません。
ケースレポートでは患者さんの看護問題のひとつかせいぜいふたつを、看護診断を用いて掘り下げることになります。ですから、もっとも印象に残ったことを挙げるようにしてください。
ケースレポートでは患者さんの看護問題のひとつかせいぜいふたつを、看護診断を用いて掘り下げることになります。ですから、もっとも印象に残ったことを挙げるようにしてください。
3 展開を考える
書くことが決まったら、おおよその展開を考えます。
ここでは、わたしの経験を紹介することにしましょう。
わたしが整形外科の看護師だった頃、Aちゃんという小学1年生の女の子を担当しました。Aちゃんは骨腫瘍で右下肢の大腿部からの切断を余儀なくされました。
天真爛漫だったAちゃんは、手術を期にその明るさをすべて失ってしまいました。
カーテンを閉め切って家族以外の誰も入れようとせず、話もしようともしませんでした。
下肢を失うことは、Aちゃんの心にも大きな傷を負わせてしまったのです。
わたしたち看護師は、Aちゃんの心が明るさを取り戻せるよう、少しずつ介入することにしました。
Aちゃんにとって最も恐ろしいのは傷の消毒です。そこで消毒の時には穏やかな雰囲気をつくるように心がけ、Aちゃん自身にもセッシを持たせたりして、遊びながら関わるようにしました。
また傷周囲の清潔ケアでは、傷をいたわるように扱いました。その結果、閉め切ったカーテンが徐々に開かれるようになったのです。わたしたちはAちゃんが心を開き、外界との接触を求めていると判断し、積極的にコミュニケーションをとるようにしました。
わたしたちはさらに、Aちゃんが自ら松葉つえで歩き、リハビリを開始できるようにしたいと考えていました。Aちゃんが自然に歩くようになるサプライズ企画を考えていたその時です。
ちらちらと初雪が降ってきたのです。病棟の子どもたちは大騒ぎです。「雪うさぎを見においで」の誘いに、Aちゃんは自然に松葉ついてナースステーションまで遊びに来てくれました。
この事例は3つの時期にわけることができます。
「Aちゃんがカーテンを閉め切っていた時期」、「カーテンが開いた時期」、「自ら松葉つえで歩きだした時期」です。あなたの事例も、いくつかの時期に分けることができることでしょう。
時期を簡単な模式図にし、そこにどんな介入をしたかなどをメモ書きしておきましょう。これがケースレポートの展開になるのです。
この展開だけではケースレポートは書けません。
これを看護診断の形式にあてはめて膨らませていく必要があります。
次回にその方法を詳しく解説することにします。
ここでは、わたしの経験を紹介することにしましょう。
わたしが整形外科の看護師だった頃、Aちゃんという小学1年生の女の子を担当しました。Aちゃんは骨腫瘍で右下肢の大腿部からの切断を余儀なくされました。
天真爛漫だったAちゃんは、手術を期にその明るさをすべて失ってしまいました。
カーテンを閉め切って家族以外の誰も入れようとせず、話もしようともしませんでした。
下肢を失うことは、Aちゃんの心にも大きな傷を負わせてしまったのです。
わたしたち看護師は、Aちゃんの心が明るさを取り戻せるよう、少しずつ介入することにしました。
Aちゃんにとって最も恐ろしいのは傷の消毒です。そこで消毒の時には穏やかな雰囲気をつくるように心がけ、Aちゃん自身にもセッシを持たせたりして、遊びながら関わるようにしました。
また傷周囲の清潔ケアでは、傷をいたわるように扱いました。その結果、閉め切ったカーテンが徐々に開かれるようになったのです。わたしたちはAちゃんが心を開き、外界との接触を求めていると判断し、積極的にコミュニケーションをとるようにしました。
わたしたちはさらに、Aちゃんが自ら松葉つえで歩き、リハビリを開始できるようにしたいと考えていました。Aちゃんが自然に歩くようになるサプライズ企画を考えていたその時です。
ちらちらと初雪が降ってきたのです。病棟の子どもたちは大騒ぎです。「雪うさぎを見においで」の誘いに、Aちゃんは自然に松葉ついてナースステーションまで遊びに来てくれました。
この事例は3つの時期にわけることができます。
「Aちゃんがカーテンを閉め切っていた時期」、「カーテンが開いた時期」、「自ら松葉つえで歩きだした時期」です。あなたの事例も、いくつかの時期に分けることができることでしょう。
時期を簡単な模式図にし、そこにどんな介入をしたかなどをメモ書きしておきましょう。これがケースレポートの展開になるのです。
この展開だけではケースレポートは書けません。
これを看護診断の形式にあてはめて膨らませていく必要があります。
次回にその方法を詳しく解説することにします。
コンテンツ提供企業紹介
株式会社 医教
全国の看護学校・看護学生をメインに、 看護師国家試験対策模擬試験をはじめとした国試対策教材・DVDを販売。 なかでも、看護基礎教育から臨床現場への橋渡しを熟知した講師による 「基礎からのナビゲーションシリーズ」DVDは、 看護学生のみならず、新人看護師や院内研修用としても好評を得ている。
全国の看護学校・看護学生をメインに、 看護師国家試験対策模擬試験をはじめとした国試対策教材・DVDを販売。 なかでも、看護基礎教育から臨床現場への橋渡しを熟知した講師による 「基礎からのナビゲーションシリーズ」DVDは、 看護学生のみならず、新人看護師や院内研修用としても好評を得ている。
ケースレポートの書き方一覧
◆看護研究の進め方◆
<第1回 テーマ決定1>
<第2回 テーマ決定2>
<第3回 関連文献検討1>
<第4回 関連文献検討2>
<第5回 補足資料 『はじめに』の例>
<第6回 質問紙法1>
<第7回 研究計画作成1>
<第8回 研究計画作成2>
<第9回 質問紙法2>
<第10回 面接法1>
<第11回 面接法2>
<第12回:データ収集:観察法①>
<第13回:データの収集:観察法②>
<第14回 データの収集:実験法①>
<第15回 データの収集:実験法2>
<第16回 倫理的配慮1>
<第17回 倫理的配慮2>
<第18回 量的分析1>
<第19回 量的分析2>
<第20回 データの分析:質的分析1>
<第21回 データの収集:質的分析2>
<第22回 論文の作成>
<第2回 テーマ決定2>
<第3回 関連文献検討1>
<第4回 関連文献検討2>
<第5回 補足資料 『はじめに』の例>
<第6回 質問紙法1>
<第7回 研究計画作成1>
<第8回 研究計画作成2>
<第9回 質問紙法2>
<第10回 面接法1>
<第11回 面接法2>
<第12回:データ収集:観察法①>
<第13回:データの収集:観察法②>
<第14回 データの収集:実験法①>
<第15回 データの収集:実験法2>
<第16回 倫理的配慮1>
<第17回 倫理的配慮2>
<第18回 量的分析1>
<第19回 量的分析2>
<第20回 データの分析:質的分析1>
<第21回 データの収集:質的分析2>
<第22回 論文の作成>
これであなたも即戦力!現場で役立つお役立ちコラム!
\ シェア /