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ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL第10回

ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL ” 理解なき支援が「溝」を生む” Vol.02_その5

投稿日:2017.08.01

どのように嚥下食を作っているか、具体的に教えてください。
家族と同じ食事を嚥下食にしたり、夫用に個別で作ったりしています。
家族用のメニューであれば、コストや手間の面で負担にならないのでおすすめです。
その場合は、食事をペースト状にして、とろみ材「ソフティアS」を入れる調理法ですね。
例えば、カレーやシチュー、麻婆豆腐、野菜の炊き合わせ、コロッケ、ポテトサラダなどがメニューです。
夫の場合、基本の食形態がペースト状なので、なめらかなペーストを作るためにミキサーが必要です。やわらか食を召し上がられる方であれば、圧力鍋などが便利ですよね。
在宅介護での食事づくりも、病院や施設と同じように、道具はプロ用を用意しておくことをおすすめします。
かなり調理がラクになり楽しくできます。毎日、毎食のことですから、道具はかなり重要です。
(真澄)
毎食、ゼリー状の成形した嚥下食を作っているのですか?
成形した嚥下食を作るのは、時々です。
本人が喜ぶメニューを意識して作っています。
特に、オムライスは喜びます。
本人の思い入れがあるメニューを成形していますね。
キャラ弁など、流行のものも取り入れています。
(真澄)
嚥下食のレシピは、どのようにして考えていますか?
まずは、本人の食べたい想いや思い出などを最優先に考えますね。
実際に作るときは、書籍「おうちでできるえんげ食」を参考にしたり、訪問管理栄養士の村田先生に相談し、食材の量やゲル化材の添加量を調整しています。
また、テレビや雑誌を見て、家族が作ってみたい!というものも、チャレンジして作っています。  
(真澄)
成形した嚥下食レシピは何種類ありますか?
うどん、蕎麦など、20種類ぐらいはあります。
基本ができれば、バリエーションが広がります。うどんであれば、カレーうどん、あんかけうどんもできます。うどんが作れるようになれば、蕎麦も同様にメニューを広げていけますね
ゲル化材は、「ソフティアU」と「ソフティアG」を使い分けています。お粥を作るときは、強力なミキサーで粉砕した白米や雑穀とソフティアUを使ってお粥ミキサーゼリーを作っています。
いつ作っても固さが一定で、味も美味しいですよ!
今週は、管理栄養士の村田先生にトンカツの作り方を教えていただきます。
先日はエビチリを作りました。
本人が嚥下障害になる前に、好んで食べていたものを成形できると、かなり食が進みます。
あっという間に食べてしまいますよ。
(左恵子)
飲み込みが困難な人は、ペースト状のミキサー食を食べている場合が多いと思います。
成形した「嚥下食」は、ペースト状のミキサー食にひと手間を加え、飲み込みに配慮しつつも、普通食の見た目に近づけた食事です。
ひと手間とは、ペースト状のミキサー食に「ゲル化材」を加えて加熱する工程のこと。この工程により、ゼリー状の成形した「嚥下食」を作ることができます。
ゼリーを作る、となると、ゼラチンや寒天を思い浮かべますが、飲み込みやすさの点では、ゼラチンも寒天も弱点があります。
ゼラチンは、温度に弱いのが難点。一度ゼリー状に固めても常温で溶け出します。食事介助中に室温で溶けてしまったり、口の中で溶けてしまったり。
一方、寒天は、まとまりにくく、バラつきやすいため、嚥下食の物性としては不向きです。
ゲル化材「ソフティアU」は常温でも溶けず、温度にも強いのが特長です。65℃以下であれば温めても溶け出さず、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、普段の食事に近づけられます。
また一度冷凍しても解凍して使えるため、冷凍庫にストックでき、ご家庭で使いやすいのもメリットです。
※連載へのご意見、ご感想、身近な情報をお寄せください
発行: メディバンクス株式会社 ニュートリション・ジャーナル編集部
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Mail: info@medi-banx.com

ニュートリション・ジャーナル 理解なき支援が「溝」を生むVol.02
その5『おうちでできるえんげ食Cooking』

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