専門家Q&A
褥瘡推定発生率の出し方について
ご質問
褥瘡管理者となりまだ日が浅いのですが、毎月褥瘡発生率、有病率、推定発生率を計算していますが、在院日数が短縮され、褥瘡が治癒しないまま、転院、退院してしまう患者さんがいて、調査日に褥瘡を保有する患者数が、入院時に褥瘡が記録されていた患者数(持ち込み)を下回った場合、マイナスとなり、推定発生率が出せなくなります。その際はどのように明記したらよいのでしょうか。
専門家の見解
褥瘡推定発生率(%)とは、(①調査日に褥瘡を保有する患者数-②入院時に褥瘡保有が記録されていた患者数)÷③調査日の施設入院患者数 で算出された数字④に100をかけた数字です。
ここでは、調査日に褥瘡を保有している全患者のうち、持込みの褥瘡患者の数を差し引いた数、つまり院内で発生した褥瘡を保有している患者数を、その日の施設入院患者数で割る計算です。ちなみに②には、入院時に持込み褥瘡があっても調査日にすでに治癒している患者はその数に含めません。このように考えれば、上記②の数が①の数を上回ることはなくなります。
例えば、2月10日の調査日に褥瘡を保有している患者が10名いたとして、そのうち4名は入院時にすでに褥瘡があった患者とします。全入院患者が600人の場合は、こうなります。
(①10-②4)÷③600 = ④0.01 ⇒ 0.01×100 ⇒ 1% となり、推定発生率は1%です。
このように計算すれば、マイナスの計算にはならないと思いますのでもう一度、確認してみて下さい。
ところで私も褥瘡管理者ですが、このような調査では、実態が正確に反映されていることが大切です。当たり前と思われるかもしれませんが、褥瘡患者を見落としていないか、報告が漏れていないか、などの基本がデータの正確性を左右します。
余談になりますが、当院では10年ほど前に褥瘡発生率の調査を開始したところ、翌年には発生率が上昇し、その後は減少に転じました。これは多くの施設で見られる現象のようです。つまり、調査結果をフィードバックすることで現場の意識が高まり、それまではおそらく見落としていたであろう軽微な褥瘡までもが報告に上がるようになったと考えられます。
それから、調査日を一日切り出して計算する推定発症率は、ある程度の誤差も考慮すべきでしょう。実際の発症数や深達度、できれば治癒率なども視野に入れて多角的に評価することができると良いですね。
ここでは、調査日に褥瘡を保有している全患者のうち、持込みの褥瘡患者の数を差し引いた数、つまり院内で発生した褥瘡を保有している患者数を、その日の施設入院患者数で割る計算です。ちなみに②には、入院時に持込み褥瘡があっても調査日にすでに治癒している患者はその数に含めません。このように考えれば、上記②の数が①の数を上回ることはなくなります。
例えば、2月10日の調査日に褥瘡を保有している患者が10名いたとして、そのうち4名は入院時にすでに褥瘡があった患者とします。全入院患者が600人の場合は、こうなります。
(①10-②4)÷③600 = ④0.01 ⇒ 0.01×100 ⇒ 1% となり、推定発生率は1%です。
このように計算すれば、マイナスの計算にはならないと思いますのでもう一度、確認してみて下さい。
ところで私も褥瘡管理者ですが、このような調査では、実態が正確に反映されていることが大切です。当たり前と思われるかもしれませんが、褥瘡患者を見落としていないか、報告が漏れていないか、などの基本がデータの正確性を左右します。
余談になりますが、当院では10年ほど前に褥瘡発生率の調査を開始したところ、翌年には発生率が上昇し、その後は減少に転じました。これは多くの施設で見られる現象のようです。つまり、調査結果をフィードバックすることで現場の意識が高まり、それまではおそらく見落としていたであろう軽微な褥瘡までもが報告に上がるようになったと考えられます。
それから、調査日を一日切り出して計算する推定発症率は、ある程度の誤差も考慮すべきでしょう。実際の発症数や深達度、できれば治癒率なども視野に入れて多角的に評価することができると良いですね。
こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。
\ シェア /