専門家Q&A
糖尿病性の皮膚潰瘍について
投稿日:2013.03.03
ご質問
訪問入浴の看護師をしています。利用者様に糖尿病でインシュリン療法中の方がいらっしゃいます。
寝たきりでPEGでの栄養管理です。足先の循環が悪く、足の指先が発赤、腫脹、びらん、潰瘍と症状が進みました。現在は、左の第二指の末節骨が骨折か粉砕していて、爪根より2~3mm辺りからグラグラした状態です。爪は抜爪。そのグラグラしてるところにあった、潰瘍が大きくなり亀裂している状態です。
処置は、リバノール湿布とゲンタシン塗布のガーゼを巻いています。
ここからが質問なのですが、Dr指示で入浴の際、浴槽につけて洗浄するように言われました。
仙骨や踵にできる褥瘡なら経験上、施行した事があるし理解もしているつもりです。
しかし、今回の症例には、果たして浴槽につけての洗浄と言う方法が正しいのか疑問です。
感染(重篤)の心配と、壊死、指の脱落です。創をきれいにすると言うのは解かりますが、それがお風呂の湯、シャワーで良いのか?血行を良くするために温めると、治癒に効果があるのか?固定のしてないグラグラの指は、ふやけて裂傷が悪化し、壊死・脱落の危険は無いのか?
また、糖尿病とは関係なく、足の指先の血行障害による発赤・びらん・潰瘍の方が他にも何人かいらっしゃって、とても治癒に時間がかかります。なにか良い対処法があれば教えてください。
長くなりましたが、よろしくお願いします。
寝たきりでPEGでの栄養管理です。足先の循環が悪く、足の指先が発赤、腫脹、びらん、潰瘍と症状が進みました。現在は、左の第二指の末節骨が骨折か粉砕していて、爪根より2~3mm辺りからグラグラした状態です。爪は抜爪。そのグラグラしてるところにあった、潰瘍が大きくなり亀裂している状態です。
処置は、リバノール湿布とゲンタシン塗布のガーゼを巻いています。
ここからが質問なのですが、Dr指示で入浴の際、浴槽につけて洗浄するように言われました。
仙骨や踵にできる褥瘡なら経験上、施行した事があるし理解もしているつもりです。
しかし、今回の症例には、果たして浴槽につけての洗浄と言う方法が正しいのか疑問です。
感染(重篤)の心配と、壊死、指の脱落です。創をきれいにすると言うのは解かりますが、それがお風呂の湯、シャワーで良いのか?血行を良くするために温めると、治癒に効果があるのか?固定のしてないグラグラの指は、ふやけて裂傷が悪化し、壊死・脱落の危険は無いのか?
また、糖尿病とは関係なく、足の指先の血行障害による発赤・びらん・潰瘍の方が他にも何人かいらっしゃって、とても治癒に時間がかかります。なにか良い対処法があれば教えてください。
長くなりましたが、よろしくお願いします。
専門家の見解
足の潰瘍には、その原因として主に①糖尿病性(足の変形や神経障害に起因するもの)②動脈性(虚血) ③静脈性(うっ滞)があり、さらにこれらが混在するケースもあります。糖尿病性足潰瘍の場合、保護や除圧を十分に行いながら局所治療をすすめる必要があります。今回のケースは、発赤・腫脹があり、リバノールを使用していることから、感染創として対処されていると思います。局所を温めることで感染を助長する危険があるので、体温を上昇させる入浴は避け、体温程度のシャワー洗浄にとどめた方が良いかもしれません。
また、動脈性の虚血がある場合は、血流再建をしなければ治癒が望めないケースもあるので、診断と治療方針を確認する必要があります。積極的な創傷管理ができない場合は、創部を湿潤させることでかえって感染リスクが高まる危険もあるので、壊死部を湿潤させずに乾かしてミイラ化し自然脱落を待つといった方法もあります。いずれにしても感染制御が優先されます。
足に潰瘍がある場合は、必ず血管触知:①足背動脈②後脛骨動脈(内果部の後側)③膝か動脈④大腿動脈、で血流をチェックしましょう。それで虚血が疑われる場合はその後の検査・治療をどうするか検討します。虚血状態のままで、局所のデブリードマンや湿潤環境を促進すると、悪化の危険があるので慎重に対処しましょう。
また、動脈性の虚血がある場合は、血流再建をしなければ治癒が望めないケースもあるので、診断と治療方針を確認する必要があります。積極的な創傷管理ができない場合は、創部を湿潤させることでかえって感染リスクが高まる危険もあるので、壊死部を湿潤させずに乾かしてミイラ化し自然脱落を待つといった方法もあります。いずれにしても感染制御が優先されます。
足に潰瘍がある場合は、必ず血管触知:①足背動脈②後脛骨動脈(内果部の後側)③膝か動脈④大腿動脈、で血流をチェックしましょう。それで虚血が疑われる場合はその後の検査・治療をどうするか検討します。虚血状態のままで、局所のデブリードマンや湿潤環境を促進すると、悪化の危険があるので慎重に対処しましょう。
こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。
\ シェア /