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専門家Q&A

体位変換について

投稿日:2013.10.24

ご質問

昔はバスタオルを用いて患者さんの水平移動や上下移動を行ってました。
最近は一人で行う方法や、グローブを用いる方法を聞きます。詳しく教えてください。

専門家の見解

ベッド上で患者さんを水平に横移動させたり上方に移動したりする際、従来のバスタオルによる移動方法では、仙骨部など沈み込む部位に摩擦を生じることになり、これがずれ応力となって褥瘡発生や褥瘡悪化の一因になると考えられています。
またタオルで持ち上げられる患者さんが不快や恐怖を感じてしまったり、また介護者の腰痛の一因になるという問題も指摘されています。


最近では摩擦抵抗を低減させる、いわゆる「スライディングシート」を移動介助に活用することが推奨されてきています。
このシートは、パラシュート用のナイロン素材などでできており、バスタオルと同じ位の大きさを中心に数種類販売されています。

シーツの上に、2つ折りしたスライディングシートを敷いた状態で患者さんを移動させることで、シートの上を患者さんの体が滑るように移動するので摩擦抵抗がほとんどかかりません。また、介助する側も大きな力を必要としないため楽に移動介助ができます。

製品としては、日本ノーリフト協会が推薦する「スマイルシート」※株式会社タイカ http://www.taica.co.jp
や「移座えもん」(モリトー)などがあります。

「スマイルシート」を販売するタイカのホームページでは、スマイルシートの使い方が図説されていますので、ご覧になるとイメージがつくと思います。


また、同じような素材でグローブ型の製品があり、主に背抜き・圧抜きをするために使われています。
これを両手にはめた状態で患者の骨盤の下に腕を差し入れて引き寄せると、腰部を楽に横移動させることができます。
仙骨部に褥瘡のある患者の場合、創部の下に介護者の腕を差し入れておくことで、褥瘡部が摩擦を受けることを避けられます。

このような介護用品を上手に活用し、患者にも介護者にもやさしい移動介助ができると良いと思います。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
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