専門家Q&A
経管栄養最中の吸引について
投稿日:2013.10.18
ご質問
経管栄養を注入している途中に、痰がらみの咳や痰貯留音が聞こえた場合の吸引はどのように行えばいいでしょうか。(自力で喀痰出来ない患者様です)ご指導よろしくお願いいたします。
専門家の見解
迷わず、咽頭反射・嘔吐反射を誘発しない程度に吸痰してあげてください。
唾液誤嚥(摂食嚥下機能分類の終末期)が近づいているのかもしれません。
以下の点を気をつけてください。
①注入前の口腔ケアと吸痰引をしっかり行ってください。
②注入中の体位が、誤嚥しにくい体位になっているかを確認してください(30度ギャジアップ、30度頸部前屈)。
③注入後最低30分は②の体位をキープしましょう。
上記の点を気をつけていても、痰がらみが続き、夜間に熱が出る等の症状が出現するようであれば、
唾液誤嚥⇒誤嚥性肺炎です。現在の注入カロリーによる刺激唾液が嚥下できていない状態と考えられます。
注入カロリーの減量を考慮する必要性があり、重篤であれば気管切開等の適応の検討が必要となってきます。
我々の施設ではこの段階になった時点で、ご家族とミーティングをもち、
摂食嚥下障害の終末期であることを説明し、人工的栄養補給を継続するのか、
終末期であることを理解していただき、人工的栄養補給を減量中止の方向にギアチェンジしていくのかを相談します。
人工的栄養補給を望まれるのであれば、経腸栄養は減量し、経静脈栄養に移行。気管切開も考慮します。
人工的栄養補給を希望されない場合は、看取りも念頭に、緩和医療に切り替え、平穏な生活を送っていただけるように考えていきます。
*経口摂取、経腸栄養をしていなくても我々人間は1000ml /日の安静時唾液を嚥下しています。これは年齢とともに低下していきます。
経口摂取、経腸栄養等により、500ml/日の刺激唾液が増量されます。これは年齢変化がありません。
唾液誤嚥の起こっていない方は、この1500ml/日の唾液は嚥下しているということです。
摂食嚥下機能は年齢とともに、低下してきます(水分誤嚥⇒食物誤嚥⇒唾液誤嚥(安静時唾液誤嚥⇒刺激唾液))。
まずは、刺激唾液が飲めない⇒のどでゴロゴロが始まってきます。
唾液誤嚥が多くなってくると、十分な口腔ケアを行っていても、患者さんにとってはつらいものであり、誤嚥性肺炎のリスクがUPします。
この際は、吸痰を頻回に行うということになりますが、限界があり、唾液誤嚥の状態に対する医療処置は、気管切開・気管分離という処置になります。
患者さんのご病気の状態にもよりますが、意思の疎通もなく、一口も食事が食べれない患者さんにとっては、延命治療と言わざるえません。
そのことを、ご家族に理解いただき、カロリーダウンを行うと、患者さんも刺激唾液の量が減り、平穏な生活を送っていただけます。
ただ、低栄養でのサポートということになりますので、600Kcal/日いかにせざる得ない場合は、ご家族への了解が必要です。
我々は、患者さんご家族のご理解を得た上でギアチェンジし、平穏死を迎えていただきます。
重い話になってしまいましたが、すごく重要な問題であり、総合病院であるならば病院としての考え方をまとめておいた方がよい問題です。
唾液誤嚥(摂食嚥下機能分類の終末期)が近づいているのかもしれません。
以下の点を気をつけてください。
①注入前の口腔ケアと吸痰引をしっかり行ってください。
②注入中の体位が、誤嚥しにくい体位になっているかを確認してください(30度ギャジアップ、30度頸部前屈)。
③注入後最低30分は②の体位をキープしましょう。
上記の点を気をつけていても、痰がらみが続き、夜間に熱が出る等の症状が出現するようであれば、
唾液誤嚥⇒誤嚥性肺炎です。現在の注入カロリーによる刺激唾液が嚥下できていない状態と考えられます。
注入カロリーの減量を考慮する必要性があり、重篤であれば気管切開等の適応の検討が必要となってきます。
我々の施設ではこの段階になった時点で、ご家族とミーティングをもち、
摂食嚥下障害の終末期であることを説明し、人工的栄養補給を継続するのか、
終末期であることを理解していただき、人工的栄養補給を減量中止の方向にギアチェンジしていくのかを相談します。
人工的栄養補給を望まれるのであれば、経腸栄養は減量し、経静脈栄養に移行。気管切開も考慮します。
人工的栄養補給を希望されない場合は、看取りも念頭に、緩和医療に切り替え、平穏な生活を送っていただけるように考えていきます。
*経口摂取、経腸栄養をしていなくても我々人間は1000ml /日の安静時唾液を嚥下しています。これは年齢とともに低下していきます。
経口摂取、経腸栄養等により、500ml/日の刺激唾液が増量されます。これは年齢変化がありません。
唾液誤嚥の起こっていない方は、この1500ml/日の唾液は嚥下しているということです。
摂食嚥下機能は年齢とともに、低下してきます(水分誤嚥⇒食物誤嚥⇒唾液誤嚥(安静時唾液誤嚥⇒刺激唾液))。
まずは、刺激唾液が飲めない⇒のどでゴロゴロが始まってきます。
唾液誤嚥が多くなってくると、十分な口腔ケアを行っていても、患者さんにとってはつらいものであり、誤嚥性肺炎のリスクがUPします。
この際は、吸痰を頻回に行うということになりますが、限界があり、唾液誤嚥の状態に対する医療処置は、気管切開・気管分離という処置になります。
患者さんのご病気の状態にもよりますが、意思の疎通もなく、一口も食事が食べれない患者さんにとっては、延命治療と言わざるえません。
そのことを、ご家族に理解いただき、カロリーダウンを行うと、患者さんも刺激唾液の量が減り、平穏な生活を送っていただけます。
ただ、低栄養でのサポートということになりますので、600Kcal/日いかにせざる得ない場合は、ご家族への了解が必要です。
我々は、患者さんご家族のご理解を得た上でギアチェンジし、平穏死を迎えていただきます。
重い話になってしまいましたが、すごく重要な問題であり、総合病院であるならば病院としての考え方をまとめておいた方がよい問題です。
こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。
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