専門家Q&A
栄養剤投与前の胃残留量確認後の処理について
投稿日:2014.09.16
ご質問
胃食道逆流防止のため、経腸栄養投与前はカテーテルチップで胃残留量を確認していますが、一度カテーテルチップで体外に出した残留物は、私は破棄しています。しかし、看護師によっては、胃内に戻している人もいるかもしれません。文献によっては、残留物の中にはカリウム等の電解質が含まれているため、胃内に戻すという手順もあります。胃内容物の性状にもよるのでしょうか?100~200ml以上の胃残留物が残っていたならば、それを戻す行為は嘔吐の原因にもなるのではないかと思うのですが・・・。院内の手順に追加したいので、よろしくお願いします。
専門家の見解
基本的には、胃残留量を確認したものは戻すのが普通だと思います。
ただ、残量がある上に定量の栄養剤を投与することが、患者の消化吸収に負担になると考えられる場合は、前吸引で戻した量を差引して投与します。
(例:300ml投与予定で、50mlを戻したら、250mlの投与に変更する)
ただし、ウランさんも書かれているように、吸引した液の量や性状での判断は必要です。
赤色(消化管出血)、黄色や緑色(胆汁)の場合は、主治医報告ですし、多量の残渣(栄養剤・胃液)の場合も要報告・相談で、医師の判断後の投与とすべきと思います。
ところで、多量の判断ですが、たしかASPENのガイドラインでも200ml以上の残量は投与中止です。
私は前医での投与確認マニュアルでは、実際の投与前吸引の量と経管トラブルの経験から100ml以上は、主治医へ投与確認としていました。
なので院内手順を考えるのであれば、100-200ml以上の胃残留量が残っていたらそのまま投与して良いかどうかをチーム(医師、看護師、できれば栄養士、薬剤師)で一度検討してはいかがでしょうか?
ただ、残量がある上に定量の栄養剤を投与することが、患者の消化吸収に負担になると考えられる場合は、前吸引で戻した量を差引して投与します。
(例:300ml投与予定で、50mlを戻したら、250mlの投与に変更する)
ただし、ウランさんも書かれているように、吸引した液の量や性状での判断は必要です。
赤色(消化管出血)、黄色や緑色(胆汁)の場合は、主治医報告ですし、多量の残渣(栄養剤・胃液)の場合も要報告・相談で、医師の判断後の投与とすべきと思います。
ところで、多量の判断ですが、たしかASPENのガイドラインでも200ml以上の残量は投与中止です。
私は前医での投与確認マニュアルでは、実際の投与前吸引の量と経管トラブルの経験から100ml以上は、主治医へ投与確認としていました。
なので院内手順を考えるのであれば、100-200ml以上の胃残留量が残っていたらそのまま投与して良いかどうかをチーム(医師、看護師、できれば栄養士、薬剤師)で一度検討してはいかがでしょうか?
専門家の見解
高崎先生、ありがとうございます。
完璧な回答ですm(_ _)m
ちなみに、我々は、50mlのカテーテルチップで胃内の吸引を行っています。
50mlがいっぱいになれば、その胃内容①は破棄し、カテーテルチップを空にして、再度吸引②してみます。
50mlがいっぱいにならなければ①、胃内に戻します。
多くの場合は、トータル100mlまでのことが多く、こちら②は破棄せずに胃内へ戻しています。
一度体外に出してしまったものは、不潔なことをしなくてもあまり気持ちの良いものではありません・・・。
患者さんにとっては、嘔吐はつらいことです。200以上も吸引されるようであれば、経管栄養は中止とし、その間は、経静脈栄養(点滴)にて様子を見ます。点滴で、電解質も補正します。
大津市では、PEG地域連携パスを使用しています(医療者用(表裏)、患者さん用(表裏))。
患者さん用の裏面に、在宅での家族の対応を書いており、大津市でのPEGに関わる施設での決め事が書かれています。
各施設により、職種により、本人・家族への指示が異なると、在宅の患者さんは迷われます。
病院では、100ml程度の胃内吸引であれば問題ないのですが、在宅では、異常を早くキャッチするために、在宅では50mlとしています。
PEG地域連携パス 2012.1. 患者用裏面
http://www.nurse-star.jp/_resource/pdf/_sample01.pdf
完璧な回答ですm(_ _)m
ちなみに、我々は、50mlのカテーテルチップで胃内の吸引を行っています。
50mlがいっぱいになれば、その胃内容①は破棄し、カテーテルチップを空にして、再度吸引②してみます。
50mlがいっぱいにならなければ①、胃内に戻します。
多くの場合は、トータル100mlまでのことが多く、こちら②は破棄せずに胃内へ戻しています。
一度体外に出してしまったものは、不潔なことをしなくてもあまり気持ちの良いものではありません・・・。
患者さんにとっては、嘔吐はつらいことです。200以上も吸引されるようであれば、経管栄養は中止とし、その間は、経静脈栄養(点滴)にて様子を見ます。点滴で、電解質も補正します。
大津市では、PEG地域連携パスを使用しています(医療者用(表裏)、患者さん用(表裏))。
患者さん用の裏面に、在宅での家族の対応を書いており、大津市でのPEGに関わる施設での決め事が書かれています。
各施設により、職種により、本人・家族への指示が異なると、在宅の患者さんは迷われます。
病院では、100ml程度の胃内吸引であれば問題ないのですが、在宅では、異常を早くキャッチするために、在宅では50mlとしています。
PEG地域連携パス 2012.1. 患者用裏面
http://www.nurse-star.jp/_resource/pdf/_sample01.pdf
Thanks.
ありがとうございました。当院の手順も先生方の手順を参考にさせていただき、患者さまやご家族にもしっかり指導ができるよう、当院のPEGのパスも見直していきます。
こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。
\ シェア /
この先生に関連する記事
PEJでの栄養剤投与の速度
2014.09.09
PEG 下痢の患者の対処法について
2013.08.07
シリーズ
褥瘡推定発生率の出し方について
2013.02.20
吸引時に使用するリンス水と浸漬用水について(その2)
2015.08.11
胃ろう刺入部の発赤,肉芽にはリンデロンを使用していきますが,,,
2011.10.02