1. ホーム
  2. コラム
  3. 高齢者の浮腫に対するケア方法について
専門家Q&A

高齢者の浮腫に対するケア方法について

ご質問

西田壽代さんが執筆されていた「臨牀看護」での連載の中で、ぜひ取り入れたいと思ったことがあったので質問させて下さい。
第3回で、高齢者の廃用性浮腫に対して足浴と局所的に圧迫をしないレッグウォーマーの着用を行い浮腫が軽減した経験をしたとありましたが、足浴の方法・レッグウォーマーについて・浮腫の程度の測定方法・ケア施行するタイミング(設定時間)等、ケアの詳細を教えていただきたいです。

また、対象者の適応基準または除外基準があると思われますので教えていただきたいです。
もし雑誌や研究等ですでに執筆していましたら、その情報も教えていただきたいです。
対象とする患者さんは、高齢者で精神科での入院治療を行っています。薬物治療により動作緩慢やふらつきが見られてくると、車いすを使用することが増え、そのうちに歩行が困難となり、下肢の下垂している状態が長時間となってしまう方も少なくはありません。

もし上記の方法のほかに簡単で、かつ自宅に退院された後でも継続できるような良い浮腫軽減に対するケア方法があれば教えていただきたいです。
よろしくお願いします。

専門家の見解

ご質問いただき、ありがとうございます
また臨床看護の連載もお読みくださっているようで、重ねてお礼申し上げます。

廃用性浮腫のケアについてですが、はじめにしていただきたいのは、本当に廃用性浮腫なのかの鑑別をしっかりつけるということです。つまり、内科的な疾患が隠れていないかをアセスメントすることが大切です。
そしてケア方法ですが、浮腫を実際に測定するとなると、介護する方の負担が大きくなり、ケアの継続性にかけてしまうので、私が実際に行っていたのは、指で圧迫して圧迫痕がどれだけ残るのかを写真などでフォローするということです。
写真は私が定期的に訪問したときに撮っていたので、撮影者が異なることによる誤差はほとんどないです。
あわせて、皮膚の色調や皺の程度なども観察をします。
ケアは、足浴を、介護する方の手の空いた時間帯など、なるべく負担のないように、ほぼ毎日行っていただきました。入浴のある日にはしていません。
そして、そのあとは下腿部全体に保湿剤を塗布しながら、末梢から中枢に向かってゆっくりと還流を促すようにマッサージを行います。(下腿部を挙上したまま行うのがポイントです)
そしてすぐにレッグウオーマーを装着します。

車椅子での座位時間が長くなると、それだけで浮腫が起こりますので、1~2時間に一度は下肢を挙上したり、足踏みの運動を行うなど、スタッフがマメに声をかけるようにケアの統一を図ります。

いずれにしても、廃用性浮腫の改善は用意ではないので、ケアがいかに継続できるのか、ということがポイントになってきます。
また、たとえ浮腫が軽減できなくても、浮腫による皮膚の菲薄化に伴う創傷形成を予防するために、保湿はとても大切です。患者さんとスキンシップで切る時間がケアの喜びにつながるといいですね。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
本サイト内に掲載された情報の正確性および質については万全を期すものの、常に全ての場合に有効とは限らず、また、本サービスの利用の結果、万が一会員が不利益を被ったとしても、当社は当該不利益について一切の責任を負わないものとします。

このコンテンツをご覧いただくにはログインが必要です。

会員登録(無料)がお済みでない方は、新規会員登録をお願いします。



他の方が見ているコラム