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専門家Q&A

爪白癬保有者へ、在宅で出来るフットケア

ご質問

在宅看護・介護を受けている方へのフットケアについて、お伺いしたいと思います。

83歳・女性。
要介護度:要介護2
軽度認知症あり。
月に2回の訪問入浴サービスの他、家族の介助により週に2~3回の入浴(シャワー浴)。
20分程度の坐位保持可能。
皮膚科受診済。内服(-)。抗真菌外用薬(+)。
現行のケア:
入浴(シャワー)の際、石鹸による入念な洗浄をし
洗浄後は、しっかりと石鹸成分を洗い流す。
タオルドライの後、ドライヤーを使い指間・爪を乾燥させる。
外用薬の塗布。

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家族が出来る、効果的な足浴や洗浄方法、マッサージなどのケアがありましたら
教えていただけませんでしょうか。

専門家の見解

ケアがとても行き届いていますね。洗浄は、そのままのやり方を継続していただければ充分かと思います。しいて言えば、洗浄剤は固形石鹸ではなく、弱酸性の石鹸(液体のものが多いと思います)のほうが、皮膚のpHに近く、皮膚のバリア機能を保つためにはいいかもしれません。実は高齢者は加齢に伴い皮脂が欠乏しやすいので、毎日に近い入浴をすることで、天然のバリアとなる皮脂膜が取れてしまい、乾燥を助長してしまいます。白癬菌は、湿った場所で増殖するイメージがあると思いますが、湿ってふやけた皮膚になることで、皮膚の細胞のバリア機能がこわれ、その部分から白癬菌が侵入しているのです。ですから、なるべく自然な皮膚の状態を保つためには、ドライヤーを使わず自然乾燥をさせることと、白癬菌に感染しているとしても、足を洗った後に、皮脂膜の代わりになるよう保湿剤を塗ることを定期的に行いましょう。もちろん、指の間や白癬菌に感染した爪の部分は避けたほうがいいと思います。保湿剤を手のひらにとって両手でこすってなじませた後に、手のひら全体を使って、足を包み込むようにゆっくりと塗布することが、マッサージ効果を生むと思います。それと、爪の外用薬は、水薬でしょうか。でしたら、爪と皮膚の間にもしっかりと薬を入れ込んで塗布するのがコツです。その際、爪と皮膚の隙間に汚れが詰まっていないかも観察し、汚れが詰まっているようなら、軟らかい歯ブラシなどを使って1週間に1回程度、皮膚をいためないようにやさしく洗うといいでしょう。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
専門家Q&Aを通じて得た知識を職務に活かす場合、患者のの心身の状態が悪化した場合でも、当社は一切責任を負いません。
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