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専門家Q&A

徘徊してしまう認知症の患者の対応法について

ご質問

認知症で徘徊してしまう患者様がいます。しかし下肢筋力が弱く立位を保てず一人で起きては転倒してしまいます。昼夜逆転しており夜間に多いです。眠剤で夜間入眠できるよう調整しているのと、ベットの下にマットを敷いています。センサーコールは服につけると自分でとってしまい、床のセンサーマットを使うとまたごうとしてより危険です。抑制はさらに患者さまを興奮させてしまい、どの様に対応していいのか悩んでいます。何か他に方法はありますか?

専門家の見解

アセスメントから考えられるケア方法
ご質問ありがとうございました。。回答が遅なってしまい申し訳ありません。
「徘徊」とは無目的に動き回る様を示し、認知症中期の行動・心理症状の中心的な症状とされています。しかし、この行動を本人の視点でみると決して無目的に歩き回っているわけではなく、なんらかの理由があって歩き回っています。また、何らかの不安があることにより徘徊が生じています。その理由を、患者さんの言動や表情を十分に観察し読み取ることが重要なポイントとまります。また、二つ目のポイントとして、患者さんにせん妄がみられているかどうかを観察することです。
今回のご質問の患者さんの情報よりアセスメントさせていただくと、昼夜逆転がある、眠剤を使用しても調節困難であることより夜間せん妄を生じていることが徘徊の要因になっていることと考えられます。①昼夜逆転を改善するために、日中の覚醒時間促すようにし(散歩やリハビリ、レクリエーション参加等)夜間入眠できる環境を整える。②せん妄を引き起こす要因の一つとして、薬剤の多剤併用があります。例えば、眠剤と風邪薬やH2ブロッカーとの併用などはせん妄を悪化させるリスクがありますので、使用してい薬剤の確認をしてみることも大切です。③徘徊の理由は何か(トイレに行きたいのか、何か飲みたいのか、不安、心配があるのか、探しものがあるのか、身体の苦痛があのか、家族に会いたいのか)等観察、確認、アセスメントする。④無理に徘徊を制止せず、患者の訴えを傾聴しながら見守る。⑤徘徊による転倒や転落等の、事故を防ぐために、室内に夜間は小さな明りをつけておく、ベットの高さを低くする等のべッド周囲の環境を整備する。等自施設で実践可能なことから取りかかってみたらよいと思います。焦らず、じっくり患者さんと向き合いながらケアに励んで下さい。貴重なご質問ありがとうございました。頑張って下さい。

こちらの記事は、会員のスキルアップを支援するものであり、患者の病状改善および問題解決について保証するものではありません。
また、専門家Q&Aにより得られる知識はあくまで回答専門家の見解であり、医療行為となる診療行為、診断および投薬指導ではございません。
職務に生かす場合は職場の上長や患者の主治医に必ず相談し許可を取ってから実践するようお願いいたします。
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