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西山順博先生に訊きました 第20回

『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第20回 セレン(Se)

投稿日:2020.09.15

西山順博先生に訊きました『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第20回

必須ミネラルのはたらき⑩

セレン(Se)

今回取り上げるのはセレン(Se)。必須微量元素の1つであり、かつては毒性の強いミネラルであると考えられていましたが、ビタミンEの50倍以上もの抗酸化作用があるとされ、注目されているミネラルです。
セレンの持つ抗酸化作用は、健康維持や老化防止にも影響を与えます。セレンの働きや食品に含まれる量を把握し、バランスよく取り入れましよう。

■セレンのはたらき

セレンは甲状腺ホルモン代謝調整や抗酸化作用など、重要な役割があります。

■セレンの過剰と欠乏

通常の食生活で魚や米を摂取していれば、セレンの摂取量が不足することはあまりないとされています。しかし、長期に経腸栄養や静脈栄養を投与ずる場合や、いくつかの疾患ではセレンは欠乏しやすいといわれています。経腸栄養や静脈栄養を行っている患者は症状がなくても1ヶ月~数ヶ月に1回は血清セレン値を確認することが推奨されています3)。
経腸栄養や静脈栄養を行っている患者は、症状がなくても一度は測定し、充足できていない患者に対しては、セレン含有の経腸栄養剤に変更するなど対応が必要です。また、我が国では静脈投与のセレン製剤は市販されていないため、専門の医療機関へのコンサルトが必要となり、セレン100~500μg/日を静脈投与または経口投与することを検討することが必要となります3)。
セレンの多くは、タンパク質に結合しているため、タンパク質が吸収されると同時にセレンも吸収されると考えられていますが、タンパク質に限らず、色々な食品に含まれています。食品によって含有量に差があるので、表を参考に効率よく摂取しましょう。
≪参考文献≫
1)本臨床栄養代謝学会 新型コロナウイルス感染症の治療と予防に関する栄養学的提言
2)厚生労働省 日本人の食事摂取基準
3)日本臨床栄養学会 セレン欠乏症の診療指針2018
4)キーワードでわかる臨床栄養 岡田普吾〔編)羊土社2020
5)文部科学省 食品成分データベース

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