新型コロナウィルス感染症(COVID-19)次の波に備える
特集2「新型コロナウィルス感染症(COVID-19)次の波に備える」TOPIC1
投稿日:2020.09.21
世界中を混乱と恐怖に陥れた新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)。この感染症は、ウイルスの突然変異でさらに感染力や症状の悪化が強まる恐れもあるといわれています。次の波への備えに対して手を緩めず、感染予防・重症化予防を常に意識していかなければなりません。この度COVID-19の最前線に立つ方々にお話を伺うことができましたのでご紹介します。急遽ご協力くださった皆様に、心よりお礼申し上げます。
(編集部)
(編集部)
PPEが足りない! その代用品・自作品は安全ですか?
COVID-19が蔓延したことで医療現場では個人防護具(PPE)の不足が大きな問題となり、今後に備えて代用品や自作品の必要性を実感した方も多いのではないでしょうか。それらを安心・安全に使用するための注意点を、職業感染制御研究会有志(※1)による性能評価サイト「医療用個人防護具の代替品性能評価と作り方(※2)」に携わっている感染管理認定看護師の榮留富美子先生に伺いました。
PPE不足の問題点
医療・介護施設で利用されている感染対策のためのマスクやアイソレーションガウンなどは購入する場合に雑品扱いとなるため、国内では法的な縛りはありません。そのため代用品・自作品を使用したことでトラブルが発生しても、責任の所在が分かりにくくなっているのが現状です。また、代用品・自作品は、実際にはどのような環境で作られているかがわかりません。
海外では、代用品に新型コロナウイルスが付着していたという報告もあります。院内・施設内に善意で持ち込まれる自作品や代用品の全てが安全とは言えません。新型コロナウイルスは環境表面で72時間生存できると言われているので、消毒ができないものに関しては3日以上時間をおいてから使用するなどの工夫も必要だと考えます。
実際にPPEが足リない状況下で現場対応しなければならない皆さんを守らなければ、患者さんも守ることができません。代用・自作PPEの制作・使用における注意点をお伝えします。
海外では、代用品に新型コロナウイルスが付着していたという報告もあります。院内・施設内に善意で持ち込まれる自作品や代用品の全てが安全とは言えません。新型コロナウイルスは環境表面で72時間生存できると言われているので、消毒ができないものに関しては3日以上時間をおいてから使用するなどの工夫も必要だと考えます。
実際にPPEが足リない状況下で現場対応しなければならない皆さんを守らなければ、患者さんも守ることができません。代用・自作PPEの制作・使用における注意点をお伝えします。
代用品・自作品使用時のチェックポイント
私たちはPPE不足をカバーできるような自作品や代用品を探し、その機能等の評価や人体への影響等をチェックしています。
使用する材料については、医療資材ではない雑貨や日用品を使用することも多いと思います。本来は使い捨て物品ですが、材質変化や破損がなければ消毒・再利用は可能と考えます。しかし、元々医療用を想定している用途ではないため原材料についての表示義務がありません。現状を考慮した上で、代用品・自作品を使用する場合は、以下の5点を最低限クリアしていることが大切です
使用する材料については、医療資材ではない雑貨や日用品を使用することも多いと思います。本来は使い捨て物品ですが、材質変化や破損がなければ消毒・再利用は可能と考えます。しかし、元々医療用を想定している用途ではないため原材料についての表示義務がありません。現状を考慮した上で、代用品・自作品を使用する場合は、以下の5点を最低限クリアしていることが大切です
5つのチェックポイント
①飛沫などの遮断性能がある
②構造的な耐久性があり破損しない
③消毒薬(アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなど)による材質変化や劣化がない
④フィット性が保たれている
⑤快適性が保たれている
①飛沫などの遮断性能がある
②構造的な耐久性があり破損しない
③消毒薬(アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなど)による材質変化や劣化がない
④フィット性が保たれている
⑤快適性が保たれている
素材によっては、消毒液などで白濁・劣化など、材質変化してしまうものもあります。事前に消毒薬で拭き取りや浸け置きをして、材質変化や耐久性に問題がないか確認してから使用すると安心・安全です。今後は、当サイトの中に消毒についての項目も立ち上げていく予定です。また、医療用を想定していないので、血液や体液などの感染性の生体物質が付着した際の性能担保や、再利用のための消毒のしやすさ(隙間やザラつきなどがあると清拭しにくい)なども考慮されていないので、注意が必要です。
医療者が守られなければ患者も守れない
医療者を守るPPEが足りない状況下での代用品・自作品は、それぞれの人たちの献身的な厚意と工夫によるところが大きいと思います。しかし、安全性を確認・検証しないで使用することには過大なリスクが伴います。本来医療者を守る為のPPEによってリスクにさらされては、本末転倒です。治療を行う場である医療機関で患者さんを守るためには、医療者自身が守られなければ意味がありません。
医療者も患者も守られるPPE確保態勢を望みます。万が一、自施設でのPPE不足に遭遇してしまったら、このような注意点を意識して実践していただければ幸いです。
医療者も患者も守られるPPE確保態勢を望みます。万が一、自施設でのPPE不足に遭遇してしまったら、このような注意点を意識して実践していただければ幸いです。
参考
※1:一般社団法人職業感染制御研究会 http://jrgoicp.umin.ac.jp/
※2:職業感染制御研究会有志医療用個人
PPEの代替品性能評価と作り方
https://covid-19-act.jp/ppe/
※3:厚生労働省 N95マスクの例外的取り扱いについて
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2020/200413_9.pdf
※4:職業感染制御研究会のN95/DS2マスク除染と再利用に関する情報公開ページ
http://jrgoicp.umin.ac.jp/index_ppewg_n95decon.html
※1:一般社団法人職業感染制御研究会 http://jrgoicp.umin.ac.jp/
※2:職業感染制御研究会有志医療用個人
PPEの代替品性能評価と作り方
https://covid-19-act.jp/ppe/
※3:厚生労働省 N95マスクの例外的取り扱いについて
https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2020/200413_9.pdf
※4:職業感染制御研究会のN95/DS2マスク除染と再利用に関する情報公開ページ
http://jrgoicp.umin.ac.jp/index_ppewg_n95decon.html
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