【何ぞやシリーズ5】「薬剤性嚥下障害」って何ぞや?
【何ぞやシリーズ5】「薬剤性嚥下障害」って何ぞや?
投稿日:2015.06.24
嚥下障害のある方への経口摂取回復の取り組みが重要視されていますが、高齢者に処方されることの多い向精神薬などの副作用で生じる摂食嚥下障害があることをご存知ですか?
本来嚥下障害のなかった方に、その兆候が現れたら要注意!
お薬を確認してみましょう。
本来嚥下障害のなかった方に、その兆候が現れたら要注意!
お薬を確認してみましょう。
作画:上田みう 制作:マンガエッグ・エンターティメント
年をとると体の生理機能も変化するだろ?
治療のために処方された薬による副作用として、摂食嚥下機能障害を起こすこともあるから、君たちもある程度、薬の知識を持って患者さんたちのケアにあたってほしいんだ。
不安、不眠、うつ症、せん妄など、お年寄りに多くみられる症状に対して処方される向精神薬の副作用で、摂食嚥下機能障害から低栄養、脱水、誤嚥をきたすと、患者さんの Q O L の低下や薬効の低下、命にもかかわりかねないからね。
治療のために処方された薬による副作用として、摂食嚥下機能障害を起こすこともあるから、君たちもある程度、薬の知識を持って患者さんたちのケアにあたってほしいんだ。
不安、不眠、うつ症、せん妄など、お年寄りに多くみられる症状に対して処方される向精神薬の副作用で、摂食嚥下機能障害から低栄養、脱水、誤嚥をきたすと、患者さんの Q O L の低下や薬効の低下、命にもかかわりかねないからね。
こんな症状を見たら処方薬をチェック、 ですね!
・食事中の眠気
・誤嚥・むせ 流涎
・口腔乾燥
・食事や薬の口腔内残留
など
・誤嚥・むせ 流涎
・口腔乾燥
・食事や薬の口腔内残留
など
文献によると、薬剤性摂食嚥下障害を起こすかもしれない向精神薬は、常用量でも1週間以内で発症するんだって。
もし症状が現れたら、経口摂取の中止や食形態の調整などの対応と服薬の中止で、ほとんどが2週間くらいで回復するらしいよ。
もし症状が現れたら、経口摂取の中止や食形態の調整などの対応と服薬の中止で、ほとんどが2週間くらいで回復するらしいよ。
薬そのものは治療に必要なものだから、止め続けるわけにはいかないだろ。
病棟薬剤師から、摂食嚥下障害がみられるときの対応を提案されたよ。
病棟薬剤師から、摂食嚥下障害がみられるときの対応を提案されたよ。
① できれば散剤、あるいはなるべく小さい錠剤へ変更
② 大きなものは粉砕する
③ 投与回数の少ない薬剤にする
④ ドライシロップ・口腔内崩壊錠にする
⑤ 外用剤(貼付薬・坐薬・吸入薬など)への変更
② 大きなものは粉砕する
③ 投与回数の少ない薬剤にする
④ ドライシロップ・口腔内崩壊錠にする
⑤ 外用剤(貼付薬・坐薬・吸入薬など)への変更
患者さんの状態に適した対応ができるように、病棟薬剤師をはじめ、他のスタッフとも情報共有していくことが大切だね。
(つづく)
(つづく)
■監修/薬剤師 加治亜世 (株式会社うさぎ薬局 うさぎ薬局修善寺店 薬局長)
■参考:野﨑園子、ほか
:薬剤による摂食嚥下障害の実態調査と危険因子の分析.Journal of Sugiura
The Informed Prescriber,Vol26,No.2,Feb.2011
公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット ホームページ
■参考:野﨑園子、ほか
:薬剤による摂食嚥下障害の実態調査と危険因子の分析.Journal of Sugiura
The Informed Prescriber,Vol26,No.2,Feb.2011
公益財団法人長寿科学振興財団健康長寿ネット ホームページ
\ シェア /