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長岐 祐子先生の口腔ケアコラム第2回

第2回 障害者への「歯磨きのタイミング」 

投稿日:2011.06.28

口腔ケアの知識は一般の方にも広く波及され、日本人の9割の方が1日1回以上は歯磨きをしていると言われています。(7割の方が1日2回以上)

また、未だに「歯磨きは食後3分以内に・3分間の歯磨きを・1日3回行いましょう。」という昔の知識を信じて実行されている方もいます。 

歯磨きの目的は3つあります。

《歯磨き目的》
1.爽快感(食物残渣を取る)
2.エチケット(口臭予防)
3.ムシ歯、歯周予防

これらの目的を達成させるには「食後3分以内・3分間の歯磨き・1日3回」の歯磨きでは効果が得られず、「3・3・3」のこだわりではなく、どれだけポラーク(歯垢)が取れたかが問題です。

また、身体機能の低下とともに口腔機能の低下も考えられます。そのため、私たちがスポーツを始める前にストレッチや準備体操を行うように、食事の前の準備体操として、歯磨きを導入されることも効果的です。

この時の歯磨きの目的は歯垢をとることではないので、簡単なぶくぶく嗽や、サッサと軽いブラッシングで良いのです。 
しかし、障害者や長期入院患者の場合、規則正しい生活習慣を身に着けることが必要となるため、毎回決まった時間に、(出来るだけ)決まった人(介助者)、決まった清掃方式で行うことをお勧めします。

例えば、朝の食事が終わって慌しく歯磨きを看護師さんがするよりも、午前中の少し時間に余裕がある時、同じ介助者が同じ時間帯で、毎回同じ手順で歯磨きを行うことで、お互いの心の余裕から、患者の緊張もほぐれ、口腔内の清掃がしやすくなります。

先に食事の前の準備体操の話を記載しましたが、さらに時間がある時は、歯磨きを始める前にお口の体操(参考:スライド1,2,3)をして、口の緊張と心の緊張をほぐして口腔ケアに取り組まれることもお勧めいたします。
前回は歯ブラシの選択方法を記載しましたが、適切な歯ブラシが選択され、歯磨きが上手な人が人が行っても、患者とのコミュニケーションが図れていなければ、効果的な歯磨きにはなりません。

つまり患者が緊張していれば、口の中の筋肉までもが緊張し、思うように歯ブラシが動かせない結果になります。

次回は相手の心を開くコミュニケーションと歯磨きについて記載します。

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