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SPECIAL TALK ~ ナースの本棚 ~

患者と技術の架け橋 デバイスナースとは?

超高齢社会を迎える中、ペースメーカ、植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)など心臓デバイスを植え込む患者さんが増加しています。昨年は年間6万件以上の手術が行われ、心臓デバイスにおける看護ケアの需要も高まっています。 現在、一部の病院で活躍するデバイスナースは、心臓デバイスの管理、患者教育、そして遠隔モニタリングを通じて、患者の生活の質の向上と再入院リスクの軽減に貢献しています。今回は、デバイスナースとして活躍し、『ナースが書いた看護に活かせる心臓デバイスノート』の著者でもある鈴木まどか先生の活動をお伺いしました。


順天堂大学大学院医学研究科 循環器内科
医局秘書 不整脈グループ担当看護師
植込み型心臓不整脈デバイス認定士
心不全療養指導士
鈴木 まどか 先生


ICD植込み患者さんの一言がきっかけで、デバイスナースの道へ

 デバイスナースとは、心臓デバイスを植え込んでいる患者さんの看護全般当する看護師のことです。特定の認定資格はありませんが、主に心臓デバイスのチェックや遠隔モニタリング、患者さへの生活指導を行います
 私がデバイスナースを目指すようになったきっかけは、看護師1年目に循環器内科外来でICDを植え込んだ患者さんと関わったことです。その患者さんは「不整脈が起こって、またあのショックの衝撃を味わうくらいなら、死んでしまいたい」とおっしゃっていたのです。心臓デバイスを装着している患者さんの不安を少しでも取り除きたいという思いから、デバイスナースとしての道を歩みはじめました。

デバイスナースの役割は、患者さんと医療職の橋渡し

 私自身は看護部ではなく、循環器内科の医局に所属するという形で勤務をしており、そこが通常とは少し違うかもしれまん。当院におけるデバイスナースの主な役割は、遠隔モニタリングと患者さんの生活指導です。当科では毎月620人の患者さんのデータを確認し、異常があればすぐに患者さんや医師に連絡するなどの対応をします。患者さんと医師、他の医療スタッフとの橋渡しのような役割もします。
 またデバイス手術前後の介入も担当ています。退院後に患者さんが安心して生活できるよう、生活指導やデバイス手帳(患者さん自身の情報や緊急連絡先、デバイスの種類や設定などが記載されている個人用の手帳)の使い方など、しっかり時間をとって説明します。患者さんが不安に思っていることは、どんな小さなことでもきちんと聞くようにしています。着任して3年半がたちますが、患者さんから「鈴木さんがいるから安心」と言っていただけることが何よりのやりがいです。

全ての看護師がデバイス手帳を当たり前に読める世界を目指して

 『ナースが書いた看護に活かせる心臓デバイスノート』では、看護師が心バイスの知識を患者さんに還元する方法を記述しました。今回発行となった改訂版では1章分を加筆し、最新の心臓デバイス情報も盛り込み、全体の7割が新しい内容になっています。
 心臓デバイスは非常に専門性が高く、を熟知しているスタッフが少ない分野です。しかし高齢化により心臓デバイスを装着している患者さんは年々増加し、循環器疾患の専門病棟以外でも対応が求められる時代です。全ての看護師の皆さんがデバイス手帳を当たり前に読める世界を目指しています。
 心臓デバイスを理解することは、必ず看護師としての強みとなります。最初のハードルは高いかもしれませんが、分かると面白い分野でもあります。少しずつ勉強を重ねて、一緒に患者さんに還元していきましょう。
(2024年5月16日取材)

心臓デバイスをこれから学びたい人、学びなおしたい人にもおすすめ

『ナースが書いた看護に活かせる心臓デバイスノート』
著:鈴木まどか  医学監修:林英守
サイズ:B5    ページ:144ページ
発行元:照林社  発行日:2023/11/30
定価:2,530円(税込) ISBN:9784796526050
Amazonで購入できます

出版社のサイトでは試し読みできます
心臓デバイスの進化に伴い、今回、2017年発行の初版を大きく改訂。単に機器の解説ではなく、心臓デバイス管理に必要な看護の視点を盛り込んだ一冊です。循環器の外来、一般病棟、集中治療室、カテーテル検査室での看護業務を経た鈴木まどか先生自身が欲しいと思っていた書籍を作成。専門知識をシンプルに、親しみやすいイラストを交えて解説しているので、心臓デバイスに苦手意識のある人にも手に取りルに、親しみやすいイラストを交えて解説しているので、心臓デバイスに苦手意識のある人にも手に取りやすい内容です。( 編集部 )

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