看護・医療しゃべり場
看護・医療しゃべり場 NTT東日本東北病院RST座談会
投稿日:2013.12.25
COPDをはじめとした慢性呼吸器疾患などの増加に伴って、近年各施設とも力を入れているのが呼吸サポートチーム(RST)の取り組みです。
ここでは、多職種の介入による包括的呼吸リハビリテーションをベースに、優れたチーム医療を展開するNTT東日本東北病院・RSTのスタッフに登場いただき、話を聞きました。
ここでは、多職種の介入による包括的呼吸リハビリテーションをベースに、優れたチーム医療を展開するNTT東日本東北病院・RSTのスタッフに登場いただき、話を聞きました。
★ご参加いただいた方々
高橋識至さん:呼吸器内科・医師
安達哲也さん:呼吸器内科・医師
三塚由佳さん:看護師
石上友季子さん:管理栄養士
佐藤昌子さん:薬剤師
藤原裕太さん:理学療法士
皆川昌子さん:作業療法士
高橋識至さん:呼吸器内科・医師
安達哲也さん:呼吸器内科・医師
三塚由佳さん:看護師
石上友季子さん:管理栄養士
佐藤昌子さん:薬剤師
藤原裕太さん:理学療法士
皆川昌子さん:作業療法士
多職種による取り組みだからこそ見えるものがある
――現在のそれぞれのスタッフの役割について教えてください。
石上 呼吸リハビリテーションにおいて、栄養の役割は当然大きいものがあります。
石上 呼吸リハビリテーションにおいて、栄養の役割は当然大きいものがあります。
呼吸器に疾患を抱える方は痩せている場合が多く、その場合は栄養が非常に重要です。
食事量が増えないのは基本的な生活リズムが良くないことが原因になっている場合も多いので、生活面から指導することも大事ですね。
食事量が増えないのは基本的な生活リズムが良くないことが原因になっている場合も多いので、生活面から指導することも大事ですね。
佐藤 呼吸器疾患の患者さんは吸入薬を使う場合も多いので、吸入器の使い方や手技などを指導することが多くあります。患者さんに合った吸入器などデバイスの選択も薬剤師が指示しています。
また年に数回勉強会を開催するなど、地域の調剤薬局との連携なども積極的に行っていますね。
また年に数回勉強会を開催するなど、地域の調剤薬局との連携なども積極的に行っていますね。
藤原 コンディショニングや筋力トレーニング、有酸素運動の指導など生活場面を想定してリハビリを重ねていきます。患者さんがリハビリを通して何ができるようになりたいのかを考えながら取り組んでいます。
皆川 日々の生活の中でどんなところに困っておられるのかを確認しながら関与しています。
日常での入浴や食事などの生活場面での動作について、患者さんが安心して暮らせるように関わっていきたいですね。
日常での入浴や食事などの生活場面での動作について、患者さんが安心して暮らせるように関わっていきたいですね。
高橋 リハビリの大きな目的は、日常生活の活動レベルを上げること。だから、呼吸法の指導をするなどで呼吸の苦しさを減らしてあげて、できるだけ動いてもらう。
それが日常のADLを上げ、QOLを向上させることにつながります。
患者さんをトータルで看ながら、身体活動性を上げていくことを目標にするのはチーム全員の思いでもありますね。
それが日常のADLを上げ、QOLを向上させることにつながります。
患者さんをトータルで看ながら、身体活動性を上げていくことを目標にするのはチーム全員の思いでもありますね。
安達 患者さんには楽に呼吸してもらって、たくさん動くこと。動ける人ほど長生きにつながるという考え方です。必然的に高齢者の患者さんが多いので、吸入指導も勉強が必要ですし、栄養面でもあまり量を食べられない人は1日5食など回数を増やして摂取してもらうなどの働きかけを行っています。多職種による取り組みだからこそ成果が上がるものですね。
共通の目標に向かってみんながまとまるのがチーム医療
――チームの皆さんがすごく仲がよいと感じるのですが、垣根をなくすために工夫されていることなどあるのですか?
高橋 それはおそらく、最初にチームを作っていったプロセスが、看護師主導だったことが大きいのではないですかね。
高橋 それはおそらく、最初にチームを作っていったプロセスが、看護師主導だったことが大きいのではないですかね。
コーディネーターとして、三塚さんが頑張ってきたから(笑)。ディレクターがいて目標を掲げて、それを達成するためにチームを構成しますが、その間をとりもつコーディネーターがチームには不可欠です。
当院の場合は看護師がその役割を担ってくれて、うまくいったのではないかと思いますね。
当院の場合は看護師がその役割を担ってくれて、うまくいったのではないかと思いますね。
藤原 僕は、カンファレンスって今まで固苦しいイメージがあったのが、うちは何でも聞いてくれるから、何でも言っていいんだと勝手に思ってます(笑)。
このチームにはそういう雰囲気がありますね。
このチームにはそういう雰囲気がありますね。
皆川 先生方や看護師さんに、提案したことを受け入れてもらって、評価してもらえることが重なっていくと、意欲にすごくつながります。
そしてチームとしての目標が、患者さんのADLやQOLを上げることと明確に共有されているので、そこに向かって仕事をしていこう、というモチベーションが高まりますね。
そしてチームとしての目標が、患者さんのADLやQOLを上げることと明確に共有されているので、そこに向かって仕事をしていこう、というモチベーションが高まりますね。
――御院のRSTの今後の展望について教えてください。
高橋 重要なのは地域連携なんですね。
リハビリの適応がある人たちは潜在的にも多くいますが、そのすべてを当院でカバーするのは不可能です。そこをどういった地域連携で体制を構築するのかが今後の課題ですね。
デイサービスや訪問看護ステーションや診療所、在宅のドクターや看護師とどんな連携を組める体制にいかにもってけるかを真剣に考えていきたいと思っています。
高橋 重要なのは地域連携なんですね。
リハビリの適応がある人たちは潜在的にも多くいますが、そのすべてを当院でカバーするのは不可能です。そこをどういった地域連携で体制を構築するのかが今後の課題ですね。
デイサービスや訪問看護ステーションや診療所、在宅のドクターや看護師とどんな連携を組める体制にいかにもってけるかを真剣に考えていきたいと思っています。
三塚 現在、RSTのチームには24人のメンバーがいます。それをまとめていくためのコーディネーターになれるよう、これからも頑張りたいですね。
私たちのRSTチームは、最初は患者さんをコーディネートするところから始まり、それがうまく回るように意見をスタッフの皆さんに伝えていたんですが、やがて逆に皆さんからの意見が私のほうに集まるようになっていったんですね。それが、次第にチームとしてコーディネートしていく形に変わっていきました。
私たちのRSTチームは、最初は患者さんをコーディネートするところから始まり、それがうまく回るように意見をスタッフの皆さんに伝えていたんですが、やがて逆に皆さんからの意見が私のほうに集まるようになっていったんですね。それが、次第にチームとしてコーディネートしていく形に変わっていきました。
そして、医師がチームとしての目標やあるべき姿を示して、私がそれを計画に落とし込む。そして各スタッフの意見を聞きながら集約して、全体の取り組みとして形にしながらここまでやって来ました。
今後もチームみんなの意見を大事にしながら患者さんのQOLを上げるために力を合わせていきたいと思っています。
今後もチームみんなの意見を大事にしながら患者さんのQOLを上げるために力を合わせていきたいと思っています。
取材・構成 = メディバンクス
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