西山順博先生に訊きました 第4回
西山順博先生に訊きました 『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第4回
投稿日:2017.03.08
食事から摂る不飽和脂肪酸
~n-9系・n-6系・n-3系脂肪酸のはたらき~
前回は中鎖脂肪酸の有用性にふれましたが、今回は長鎖脂肪酸をさらに分類し不飽和脂肪酸の特徴を解説します。
不飽和脂肪酸とは?
不飽和脂肪酸は炭素の二重結合のある脂肪酸のことで、さらに一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分類できます。
一価不飽和脂肪酸(n-9系)は体内で作ることもできますが、多価不飽和脂肪酸(n-6系・n-3系)は体内で作ることができず、欠乏すると皮膚炎などが発症することもあるため、食べ物から摂取する必要がある必須脂肪酸です。
一価不飽和脂肪酸(n-9系)は体内で作ることもできますが、多価不飽和脂肪酸(n-6系・n-3系)は体内で作ることができず、欠乏すると皮膚炎などが発症することもあるため、食べ物から摂取する必要がある必須脂肪酸です。
n-9系一価不飽和脂肪酸のはたらき
■オレイン酸
不飽和脂肪酸の中で、一番酸化しにくいといわれています。高血圧、心臓病、動脈硬化を予防する効果が期待できます。また、オレイン酸を含んだ油は保湿力が高く、他の美容成分の肌への吸収率を高める効果も認められていることから、美容用としてもよく使われています。
n-6系多価不飽和脂肪酸のはたらき
■リノール酸
血液中のコレステロール値を下げる効果が期待できます。
しかし、リノール酸から合成されるアラキドン酸は血小板の凝固を促したり、アレルギー症状を悪化させたり、発がんを促すなどの報告もあるので、過剰摂取には注意が必要です。
しかし、リノール酸から合成されるアラキドン酸は血小板の凝固を促したり、アレルギー症状を悪化させたり、発がんを促すなどの報告もあるので、過剰摂取には注意が必要です。
■γ一リノレン酸
生体調節ホルモンの材料となるプロスタグランジンの主要成分です。
プロスタグランジンは体の各組織の働きを調節するホルモンで、血糖値、血圧を下げたり、血栓を防ぐなどの作用があるといわれています。
また、PMS(月経前症候群)やアレルギーを和らげる効果も期待されています。ただし、天然の食品にはあまり含まれていないため、サプリメント等で補う必要があります。
プロスタグランジンは体の各組織の働きを調節するホルモンで、血糖値、血圧を下げたり、血栓を防ぐなどの作用があるといわれています。
また、PMS(月経前症候群)やアレルギーを和らげる効果も期待されています。ただし、天然の食品にはあまり含まれていないため、サプリメント等で補う必要があります。
■アラキドン酸
アラキドン酸は体の機能を正常に保ち、人が生きていくために重要な役割をもっていますが、摂りすぎるとアレルギー、血栓などを引き起こすといわれています。献立にあがる機会の多い動物性の脂肪に多くふくまれ、前述のようにリノール酸からも合成されるため、過剰摂取に気をつけましょう。
n-3系多価不飽和脂肪酸のはたらき
■α一リノレン酸
体の中で、EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)に変わり、血栓を予防したり血中の中性脂肪を下げる効果が期待されています。
■EPA{エイコサペンタエン酸)・DHA{ドコサヘキサエン酸)
青背の魚に豊富に含まれています。前述のように、a一リノレン酸を摂取すると体内で変換されます。中性脂肪を減少させ、高血圧、動脈硬化を改善したり、血栓を防ぐなどの効果が高まっています。また、DHAにはストレス緩和、集中力アップなどの効果も期待できます。
食品として摂るときに気をつけること
一般的に「体に良い」とされる不飽和脂肪酸ですが、成分は「脂肪」ですから、
過剰摂取によるデメリットを招かないように気をつけましょう。
また、n-3系脂肪酸は酸化しやすく熱に弱い性質を持つので、高温で加熱しない、長時間空気にさらさない、光にあてない、低温で保管する、などにも注意することが必要です。
今回ご紹介した食品を参考に、日々の栄養療法に活かしてみてはいかがでしょうか。
過剰摂取によるデメリットを招かないように気をつけましょう。
また、n-3系脂肪酸は酸化しやすく熱に弱い性質を持つので、高温で加熱しない、長時間空気にさらさない、光にあてない、低温で保管する、などにも注意することが必要です。
今回ご紹介した食品を参考に、日々の栄養療法に活かしてみてはいかがでしょうか。
※参考:簡単!栄養andカロリー計算 http://www.eiyoukeisan.com/
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