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訪問看護ステーション訪問レポート第8回

第8回訪問看護ステーション訪問レポート 一般社団法人葛飾区医師会訪問看護ステーション

投稿日:2016.12.06

今回お訪ねした一般社団法人葛飾区医師会訪問看護ステーション(東京都葛飾区)は、「信頼・安心・笑顔」をモットーに、介護保険施行以前から地域の訪問看護を支えています。
葛飾区初の設立で、昨年20周年を迎えました。
子育てや看取りの経験豊富なベテランナースぞろいのステーションです。

下町人情、支えあい

0歳児から103歳の高齢者まで、約140名に利用されている葛飾区医師会訪問看護ステーション。
志村美津子所長は、
「独居、日中独居、ご夫婦で認知症、というような利用者さん宅を訪問するにあたり、医師会のステーションであることの強みは、会員である開業医の先生方と顔の見える関係であること。
お互い困った時に頼みやすいというのは、大きなメリット」
と言います。
訪問主治医は地元の開業医として患者・家族との付き合いも長く、担当患者以外の情報も把握していることが多いとのこと。
かかりつけ医、訪問看護ステーション、介護事業所が密に連絡を取り合い、区内の訪問看護ステーション同士の紹介や連携も盛んだそうです。
「ご家族や近所の方たちも、認知症高齢者を支えようという気持ちが強いように思います。日中仕事に出ていても、お子さんたちは帰宅後はよく面倒を見ておられますし、ちょっと遠くからでも甥・姪といったご親族がお世話に来られていることもあります。
そういうみんなのサポートで、この地区の在宅医療は成り立っているのだと思います」

生活の中の医療

利用者の二ーズ、持てる力、家にあるものを利用して病院と同じようなケアができるように工夫するのが在宅医療。
洗剤のボトルをよく洗って水道水を入れて洗浄用に使ったり、拭き取りに滅菌ガーゼではなく清潔なタオルを使つたり。
「病院の看護師は驚くかもしれませんが、洗濯物が増えるので、顔から足の先まで清拭タオルは1枚で、とお願いされることもあります。今日の着替えは上着だけ、ズボンは明日、ということも。
その方が望むこと、無理のないペースなら、それでいいんです。
また、食事制限などで高い目標を示された患者さんには、本人、家族が対応できるぎりぎりのラインを到達目標とします。お薬も、病状を悪化させない程度に量を減らしたり、飲む回数を減らしたりを提案することもあります。病気を完全に治すというよりも、うまく折り合いをつけながら生活するお手伝いをする、それが病院と在宅の大きな違いだと思います」(志村所長)。

高木ますみ主任も
「主役である患者・家族の二ーズをくみとって、独自に判断して生活全般をサポートするのが訪問看護師の役目。
病院で退院指導を受けてもわからないことや不安は大きいので、繰り返し説明し、少しずつご自分でできるような手助けをします。
患者家族に無理強いをしたら、在宅医療は成り立ちません」と訪問の合間にお話してくれました。

訪問看護師の使命とやりがい

訪問主治医の多くは外来診察の合間を縫って訪問しているため、生活全体を把握している訪問看護師の情報と判断は貴重です。
血液検査のタイミング、水分量の調整、全身状態に応じた栄養剤の選択など、患者の状態から判断して医師に報告をし指示を受けるのも大切な仕事です。
また、終末期の在宅医療やその延長線上の看取りについても、ステーションでは力を入れて取り組んでいます。

「誰でも戸惑いや不安はつきものですから、その気持ちに寄り添って、看取りへの覚悟と自信を持てるお手伝いをするのも訪問看護の使命だと考えています。
きちんと準備を整えた上での看取りは、医療者がその瞬間に立ちあっていなくても、本当によいお別れが出来ていると感じます。
人の命や人生を見つめ直す場に立ち会うことができて、訪問看護のやりがいは大きいですね」
と訪問看護の魅力を熱く語るお二人。

どこのステーションも抱えている、「訪問看護師自身の高齢化」を笑い飛ばしながら、今日も自転車チームは元気です。
いざ出動!
一般社団法人葛飾区医師会訪問看護ステーション
〒124-0012
東京都葛飾区立石6-8-14
パークアベニュー1階
TEL:03-5670-8100 FAX:03-5670-8101

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