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褥瘡コラム第2回

第2回 褥瘡コラム 『圧迫』を予防するためには?

『圧迫』を予防するためには?~体圧分散寝具について~

今回は、ブレーデンの概念図に沿った『圧迫予防・対策』について考えていきましょう。
図1内の①『圧迫』の原因には②可動性の減少や③活動性の低下④知覚認知の障害などがあります。


それぞれの原因を改善できれば問題はありませんが、例えば脳梗塞の後遺症や脊髄損傷などでは改善することが難しい場合があります。


そういった場合にも圧迫の解除は褥瘡予防において非常に重要ですので対策を考えましょう。
図1.ブレーデンの概念図

褥瘡予防や発生時のケアには外力(圧迫やずれ力)の管理が重要で、圧迫を解除するためには体圧分散寝具や除圧クッションの使用が効果的です。

体圧分散寝具は外力を管理する為に圧再分配、室内環境などを調整する為に設計された用具です。
体圧分散寝具には・・・『①沈める』『②包み込む』『③経時的に接触部位を変える』機能があります。

各社からエアマットレスやウレタンマットレスが発売されており、その特徴により対象にあわせて使い分けることが重要です。

では、エアマットレスやウレタンマットレスにはどのようなものがあるのでしょうか??
図2.
分類について図2に示します。

体圧分散寝具の選択方法

ポイント①体位変換が行えるかどうか 

『エアマットレスorウレタンマットレス』

体位変換が行える場合やリハビリ期などではエアマットレスを使用すると安定せずに寝返りが打ちづらくなったり,バランスを崩し危険が伴う場合があります。

自力体位変換が行えない場合は厚めのエアマットレスを選択し、自力体位変換が行える場合やリハビリ期ではウレタンマットレスやリハビリ期用のエアーマットレス(上敷き薄型)を選択するのがよいでしょう。

ポイント②頭側挙上の角度や頻度  

『上敷きマットレスor交換マットレス』

頭側挙上の角度や頻度が高いほど厚手の交換マットレスを選択しましょう。上敷きマットレスは基本的に標準マットレスの上に敷く為、厚みは薄くできています。

その為、頭側挙上した時の仙骨部や坐骨部の底付きが考えられ、体圧分散寝具を使用しているのにもかかわらず褥瘡形成してしまった・・・という結果になることがあります。

体圧分散寝具の管理

体圧分散寝具を使用したら除圧対策はバッチリ!!ではありません・・・エアマットレスには体重設定や各種モードが付いている場合がほとんどです。

各勤務帯やベッド移動後などに、必ず正常に動いているか、体重設定はあっているかなど確認をしましょう!在宅で使用する場合にも同様にチェックしてもらうよう指導が必要です。

体圧分散寝具にシーツを敷く場合、しわを防止するためにしっかり伸ばして張ってしまうことがあります。

それでは『包み込む』事ができず、かえって骨突出部位に張力が発生してしまうため圧が高い状態になっています。シーツの張り過ぎにも注意しましょう。

各医療機関や施設・在宅で導入されている体圧分散寝具を対象に合わせて正しく選択することで効果的に褥瘡予防を行いましょう!!



参考・引用文献)溝上裕子、創傷ケアの基礎知識と実践、メディカ出版、2011

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