森山 典子先生の認知症ケアコラム第3回
第3回 認知症とは?
投稿日:2011.08.25
認知症の中核症状と周辺症状(周辺症状について)
前回の第2回目のコラムでは認知症とは、認知症の中核症状について掲載させていただきました。今回の第3回では、前回掲載できなかった、認知症の周辺症状について掲載させていただきます。
※1認知症の周辺症状とは、中核症状に心理的、状況的、身体的な要因が加わって二次的に生成される行動障害や精神症状のことです。
従来 「問題行動」「迷惑行動」などと呼ばれていた症状の多くが周辺症状にふくまれますが、現在では、「認知症の行動・心理症状 (behavioral and psychological signs and symptoms of dementia: BPSD)と呼ばれるようになっています。
このBPSDという名称は、治療と研究の成果をやりとりするために、国際老年精神医学会によってまとめられた国際的な統一名称です。
周辺症状の具体的な症状には、せん妄、うつ症状、幻覚・妄想、攻撃性、徘徊、不潔行為、興奮、焦躁等が挙げられます。周辺症状と中核症状についてわかりやすく図でまとめたので下の図を参照して下さい。※2図1
※1認知症の周辺症状とは、中核症状に心理的、状況的、身体的な要因が加わって二次的に生成される行動障害や精神症状のことです。
従来 「問題行動」「迷惑行動」などと呼ばれていた症状の多くが周辺症状にふくまれますが、現在では、「認知症の行動・心理症状 (behavioral and psychological signs and symptoms of dementia: BPSD)と呼ばれるようになっています。
このBPSDという名称は、治療と研究の成果をやりとりするために、国際老年精神医学会によってまとめられた国際的な統一名称です。
周辺症状の具体的な症状には、せん妄、うつ症状、幻覚・妄想、攻撃性、徘徊、不潔行為、興奮、焦躁等が挙げられます。周辺症状と中核症状についてわかりやすく図でまとめたので下の図を参照して下さい。※2図1
上の図が認知症の主症状である中核症状と、二次的に生成される周辺症状の関係を表したものです。卵の黄身と白身を思い浮かべると分かりやすいかもしれませんね。
この図からも分かるように、中核症状は必ずみられる症状ですが、周辺症状の出現は必ず誰しもに現れる症状ではありません。周辺症状の出現には何らかの理由や原因があります。
例えば、時間・場所などの見当識障害や記憶障害により入院したことや、今いる場所や時間が分からず、不安が生じたり、家に帰ろうとして徘徊をしてしまう、そしてこのことを頭ごなしに否定されたり、怒られる、抑制されることにより更に周辺症状(攻撃的言動や興奮、拒否等)が出現(悪化、生成)するのです。
「認知症=周辺症状」ではありません。‘認知症の患者さんは周辺症状があるもの,と決めつけてしまわないで下さい。
認知症患者さんに出会った時、周辺症状の出現が強く表に出てしまっていることで、芯の中核症状が見落とされてしまい、認知症の進行した人、看護ケアが困難な人と思われてしまうことが臨床現場では多く見られます。
周辺症状にばかり目を取られないで、中核症状に注目し、認知症によりどんな障害があるのか、そして何より重要なのは、その人に出来ること、残存機能は何があるのかを観察することです。
このことが、認知症看護を実践していく上で重要となります。認知症の周辺症状の出現には必ず理由、原因があります。
周辺症状の原因を考え、対処すれば周辺症状は改善されます。進行する中核症状とは違い、周辺症状は良くなる症状です。
皆さんには、是非この二つの症状があること、その違いを理解していただきたいと思います。周辺症状の看護ケアについては今後のコラムにて掲載させていただきます。
次回のコラムは、前回の第2回目のコラムの中でふれた「認知症の病因:血管性認知症、変性性認知症、二次性認知症」について掲載させていただきます。
引用・参考文献
※1)中島紀惠子・太田喜久子・奥野茂代・水谷信子:認知症高齢者の看護,Ⅲ-認知症の病態・治療と看護,p20, 医師薬出版株式会社,2007
※2図1)山口晴保編集:認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント,p56,協同医書出版社,2010
この図からも分かるように、中核症状は必ずみられる症状ですが、周辺症状の出現は必ず誰しもに現れる症状ではありません。周辺症状の出現には何らかの理由や原因があります。
例えば、時間・場所などの見当識障害や記憶障害により入院したことや、今いる場所や時間が分からず、不安が生じたり、家に帰ろうとして徘徊をしてしまう、そしてこのことを頭ごなしに否定されたり、怒られる、抑制されることにより更に周辺症状(攻撃的言動や興奮、拒否等)が出現(悪化、生成)するのです。
「認知症=周辺症状」ではありません。‘認知症の患者さんは周辺症状があるもの,と決めつけてしまわないで下さい。
認知症患者さんに出会った時、周辺症状の出現が強く表に出てしまっていることで、芯の中核症状が見落とされてしまい、認知症の進行した人、看護ケアが困難な人と思われてしまうことが臨床現場では多く見られます。
周辺症状にばかり目を取られないで、中核症状に注目し、認知症によりどんな障害があるのか、そして何より重要なのは、その人に出来ること、残存機能は何があるのかを観察することです。
このことが、認知症看護を実践していく上で重要となります。認知症の周辺症状の出現には必ず理由、原因があります。
周辺症状の原因を考え、対処すれば周辺症状は改善されます。進行する中核症状とは違い、周辺症状は良くなる症状です。
皆さんには、是非この二つの症状があること、その違いを理解していただきたいと思います。周辺症状の看護ケアについては今後のコラムにて掲載させていただきます。
次回のコラムは、前回の第2回目のコラムの中でふれた「認知症の病因:血管性認知症、変性性認知症、二次性認知症」について掲載させていただきます。
引用・参考文献
※1)中島紀惠子・太田喜久子・奥野茂代・水谷信子:認知症高齢者の看護,Ⅲ-認知症の病態・治療と看護,p20, 医師薬出版株式会社,2007
※2図1)山口晴保編集:認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント,p56,協同医書出版社,2010
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