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森山 典子先生の認知症ケアコラム第4回

第4回 認知症の原因疾患

前回の第3回目のコラムでは、認知症の症状‐中核症状と周辺症状について掲載させていただきました。


普段の認知症患者のケアにおいて対応困難とされる従来”問題行動” ”迷惑行動”などと呼ばれていた症状の多くが周辺症状に含まれ、現在では”認知症の行動・心理症状(BPSD)”と呼ばれており、この症状は認知症患者全てに出現する症状ではなく、心理的、状況的、身体的な要因が加わって二次的に生成されるものであり、私達のケアや環境を変える、工夫することで防ぐことのできる症状であるということを知っていただけたでしょうか。少しでも理解していただけたら幸いです。


さて、今回は第2回目のコラムで少し掲載させていただきました、
認知症の原因疾患
について掲載させていただきます。


認知症患者のケアにおける視点は変わりませんが、原因疾患によって症状や経過が異なり、ケア方法も異なってくるため理解しておくが必要です。


認知症をきたす原因疾患は多岐にわたり、①血管性認知症、②変性性認知症、③二次性認知症などに分類されます。


※1)

①脳血管性認知症

脳血管障害によって起こる認知症(脳血管性認知症:vascular dementia:VD)であり、血管障害の部位や病態によって様々に分類されます。

②変性性認知症

原因が明確ではないものが多く、何らの原因で神経細胞死が生じるとされています。代表的な疾患としてはアルツハイマー病(Alzheimer disease:アルツハイマー型認知症:Alzheimer typed dementia;ATD)、レビー小体病(Lewy body disease:レビー小体型認症:dementia with Lewy bodies;DLB)、前頭側頭型変性症(fronto-temporal lobar degeneration;前頭側頭型認知症;fronto-temporal dementia:FTD)などがあります。

③二次性認知症

二次的に発症する認知症であり、多くの場合は原因疾患を治癒すれば認知症の症状は改善する可能性が高いです。これらを表1)にまとめましたので、参照して下さい。
認知症といっても原因疾患により様々に分類されますが、主に上記の表に示したものに分けられます。


このうち老年期の三大認知症と言われているのが、ATD:アルツハイマー型認知症、VD:脳血管性認知症、DLB:レビー小体型認知症です。


それぞれの主症状や経過は異なります。次回は、この3つの三大認知症と主に初老期に発症する前頭側頭型認知症:ピック(Pick)病の主症状と経過について掲載いたします。

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