感染管理認定看護師が教える現場のノウハウ連載第1回
感染管理認定看護師が教える現場のノウハウ 新連載第1回
投稿日:2013.05.01
手袋から考える医療安全~現場での着用遵守について考える!!~
患者さんだけでなく、医師や看護師など医療従事者の安全を守るために、多くの臨床現場で使用していくのが手袋。
その着用方法や素材の特長、未着のリスクなどを知っているかどうかで、実は現場での看護スキルにも大きな影響を与えることになります。
その着用方法や素材の特長、未着のリスクなどを知っているかどうかで、実は現場での看護スキルにも大きな影響を与えることになります。
医療用手袋のノウハウについて、箕面市立病院・感染管理認定看護師の四宮先生にお聞きしました。
☆そもそも手袋を着ける目的って?
手袋を着ける目的は、大きく挙げると3つあります。
ガイドラインに示されていますが、1つは自分自身を血液・体液の暴露から守るため、2つ目は患者さんを耐性菌やその他の病原体から守るためです。
特に2つ目は、直接患者さんに接する場合以外でも、環境や器材を介する「間接接触」といわれる伝播形式もあるため、環境や器材に触れる場合でも着用を行うことが必要になります。
3つめは、間接的に器材などが汚染されてしまうことを避けるためということが一般的です。
臨床現場で医療関連感染(院内感染)に対して積極的に防止するための取り組みが行われるようになってから、まだそれほど長くありません。欧米から普遍的に行う感染対策の必要性が高まり、その考え方が日本にも入ってきたのですが、まだ歴史も浅いために多くの医療従事者が理解・実践できているとはいえない状況です。
最初の隔離予防策のCDCガイドラインが公開されてからまだ20年も経過しておらず、それ以前から看護師をされている方は、概念さえ教育されていないことがあります。
また病院の組織的な問題でそうした教育が行き届いていないケースもあり、手袋着用に対する意識は看護師個々によってさまざま。
着用を促していくための教育がまだまだ十分でないと感じています。
看護師の皆さんは、現場で使う手袋についてどれだけ正しい知識をもっているでしょうか。 自分が日頃使っている手袋がなんの素材なのか。PVCなのか、ラテックスなのか、または合成ゴムのニトリルなのか。素材の違いや特長などを現場の看護師に教えていくのは管理者の務めです。
自分の手にフィットしない間違った手袋をつけていると、指先の感覚が狂ってうまく手技ができず、あげくには「つけないほうがいい」ということにもなりかねません。正しい手袋の使い方を看護師一人ひとりがきちんと身につけてほしいと思います。
ガイドラインに示されていますが、1つは自分自身を血液・体液の暴露から守るため、2つ目は患者さんを耐性菌やその他の病原体から守るためです。
特に2つ目は、直接患者さんに接する場合以外でも、環境や器材を介する「間接接触」といわれる伝播形式もあるため、環境や器材に触れる場合でも着用を行うことが必要になります。
3つめは、間接的に器材などが汚染されてしまうことを避けるためということが一般的です。
臨床現場で医療関連感染(院内感染)に対して積極的に防止するための取り組みが行われるようになってから、まだそれほど長くありません。欧米から普遍的に行う感染対策の必要性が高まり、その考え方が日本にも入ってきたのですが、まだ歴史も浅いために多くの医療従事者が理解・実践できているとはいえない状況です。
最初の隔離予防策のCDCガイドラインが公開されてからまだ20年も経過しておらず、それ以前から看護師をされている方は、概念さえ教育されていないことがあります。
また病院の組織的な問題でそうした教育が行き届いていないケースもあり、手袋着用に対する意識は看護師個々によってさまざま。
着用を促していくための教育がまだまだ十分でないと感じています。
看護師の皆さんは、現場で使う手袋についてどれだけ正しい知識をもっているでしょうか。 自分が日頃使っている手袋がなんの素材なのか。PVCなのか、ラテックスなのか、または合成ゴムのニトリルなのか。素材の違いや特長などを現場の看護師に教えていくのは管理者の務めです。
自分の手にフィットしない間違った手袋をつけていると、指先の感覚が狂ってうまく手技ができず、あげくには「つけないほうがいい」ということにもなりかねません。正しい手袋の使い方を看護師一人ひとりがきちんと身につけてほしいと思います。
現場で手袋を着けないとどうなる?
多剤耐性菌といわれる、薬が効きにくい感染症の患者さんに対して手袋をつけずに臨床現場に立つと、誰かを感染させることにつながってしまいます。
もちろんウイルス性の疾患でも手袋をしていないと手に付着しますので、第三者に感染を広げてしまいます。
つまり自分を守ることができないだけでなく、自分が媒介になって他者に感染を拡大させるということが起こってしまうのです。
もちろんウイルス性の疾患でも手袋をしていないと手に付着しますので、第三者に感染を広げてしまいます。
つまり自分を守ることができないだけでなく、自分が媒介になって他者に感染を拡大させるということが起こってしまうのです。
それは、医療者として決してあってはならないことで、絶対に防がなくてはなりません。だからこそ、手袋の着用が必要なのです。
看護師である自分の身を感染からどう守るか、最近では仕事をする上での環境もようやく整備されてきたように感じますが、まだまだ改善すべき余地が多くあります。
それだけに私たちは毎日、B型肝炎やC型肝炎、HIVなど血液でうつる感染症のリスクにさらされていることを忘れないようにしなければいけません。
手袋の着用は、それを回避するために絶対に必要なことという認識を強くもってほしいと思います。
看護師である自分の身を感染からどう守るか、最近では仕事をする上での環境もようやく整備されてきたように感じますが、まだまだ改善すべき余地が多くあります。
それだけに私たちは毎日、B型肝炎やC型肝炎、HIVなど血液でうつる感染症のリスクにさらされていることを忘れないようにしなければいけません。
手袋の着用は、それを回避するために絶対に必要なことという認識を強くもってほしいと思います。
手袋着用の遵守率を上げるためには!?
現場で必要な手袋をなぜ着けないのか。それは病院の組織としての問題や個人の教育レベルなど、一概に言えない問題があると思います。
ただいちばん大切なのは、やはり病院側が看護師一人ひとりに対してどのような教育を行って、意識を高められるかにかかってくると思います。
自分たちを守るための「個人防護具」のカテゴリーのなかに手袋がどう位置づけられていて、どんな効果があるかを入職以来きちんと教育しているかどうか。
新人教育はとても大切で、実際に手袋が必要なケースや現場について具体的に教えることが重要なのです。
教育の体制をきちんと確立した上で、看護師自身の意識を高めていきながら、現場での着用遵守率を上げていく。もちろん手袋をはずした後の手指衛生も欠かせません。そのためには、なぜ着用することが必要なのかをしっかりと教えてあげることです。
とくに新人看護師の皆さんは、まずは手袋に関する一般的な常識から着実に身に付けてほしいと思います。
手袋の着用は非常に大事ですが、一方でつけっぱなしもリスクを伴います。適切に交換をしていくことも必要。そして手袋は、指先までフィットしていて、感覚がしっかり伝わっていることが重要です。
手袋を選ぶときに何を重要視して選んでいるのか。
価格だけではなく、フィット感や耐久性など、状況に応じた素材による使い分けの必要性もぜひ認識してほしいと思います。
ただいちばん大切なのは、やはり病院側が看護師一人ひとりに対してどのような教育を行って、意識を高められるかにかかってくると思います。
自分たちを守るための「個人防護具」のカテゴリーのなかに手袋がどう位置づけられていて、どんな効果があるかを入職以来きちんと教育しているかどうか。
新人教育はとても大切で、実際に手袋が必要なケースや現場について具体的に教えることが重要なのです。
教育の体制をきちんと確立した上で、看護師自身の意識を高めていきながら、現場での着用遵守率を上げていく。もちろん手袋をはずした後の手指衛生も欠かせません。そのためには、なぜ着用することが必要なのかをしっかりと教えてあげることです。
とくに新人看護師の皆さんは、まずは手袋に関する一般的な常識から着実に身に付けてほしいと思います。
手袋の着用は非常に大事ですが、一方でつけっぱなしもリスクを伴います。適切に交換をしていくことも必要。そして手袋は、指先までフィットしていて、感覚がしっかり伝わっていることが重要です。
手袋を選ぶときに何を重要視して選んでいるのか。
価格だけではなく、フィット感や耐久性など、状況に応じた素材による使い分けの必要性もぜひ認識してほしいと思います。
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