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ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL第19回

ニュートリション・ジャーナル NUTRITION JOURNAL ” 理解なき支援が「溝」を生む” Vol.05_その1

投稿日:2017.02.17

在宅での経管栄養「栄養療法」を見直す

かつて「管をつけての退院は無理」と思われていた経管栄養患者も、今や自宅や施設での療養は珍しいことではなくなった。
今回行われた在宅経管栄養患者についての実態調査(以下、本調査)※では、地域に不足している管理栄養士・栄養士に代わり、訪問看護師らが様々な工夫を凝らしながら経管栄養管理に対応していることがわかった。現場スタッフへの取材を通して浮かび上がった、地域の抱える問題や今後の課題を探った。
※調査主体:ニュートリー株式会社、協力:メディバンクス株式会社により、2019年5月に行われた「在宅経管栄養患者に関する実態調査」。7185事業所中291事業所から、319名の在宅経管栄養患者についての回答を得た(回収率4.05%)

地域で暮らす経管栄養患者 受け入れの広がり

本調査では、在宅でも管理がしやすい胃痩(PEG)だけでなく、無菌管理が必須の中心静脈栄養、鼻腔や咽頭部の違和感で抜去されやすい経鼻胃管、さらに腸痩(PEG-J)や食道痩(PTEG)造設患者も地域で受け入れられており、経管栄養管理の幅が広がってきたことが明らかになった(図1・2)。

経管栄養によるトラブル、訪問看護師の対応は?

在宅での経管栄養管理が一般的になり、受け入れの広がりによって患者も多様化するため、全身状態の改善を目的とした経管栄養が、様々なトラブルを惹き起こすケースも出現する。

本調査では、よくある経管栄養トラブルとして「(チューブ)周囲のスキントラブル」「下痢」「痰量増加」「胃食道逆流」が上位に挙がった(図3)。中でも代表的な消化器トラブルである「下痢(44.3%)」は、本来補われるべき栄養や水分を喪失し、低栄養・脱水の要因ともなりかねないため、何としても避けたいトラブルである。トラブルを重篤化させないためには、原因(表1)を見極めそれに応じた適切な対策を講じることが必要だ。
実際の在宅現場では、下痢の予防ケアとして「食物繊維の付加(便性コントロールにも有効)」や「栄養剤の検討」を行っているのは10%程度に留まり、「整腸剤の使用」で解決しているケースが多い傾向である(図4)。
そこで改めて、薬に頼る前に栄養面からのアプローチである栄養療法の意義を考えてみたい。

ニュートリション・ジャーナル
理解なき支援が「溝」を生むVol.05
【在宅での経管栄養「栄養療法」を見直す】
その1『受け入れの広がり』

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