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教えてっ! 退院支援の5つのこと第5回

「教えてっ!退院支援の5つのこと」シリーズ 第5回

投稿日:2018.02.16

質の高い退院支援を行っている看護師さんに、退院支援の課題や想いなどを毎号お聞きするシリーズ企画。

今回は独立行政法人 地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンターの伊藤 恵副師長にお聞きしました。

1⃣ 退院支援計画でのポイント

「どんな思いで生活してきて、これからどうしたいのか」という患者さんの思いに添うことが大切です。 患者さんの思いを、医療的、介護的、社会的側面と照らし合わせて、必要な支援は何かを考えます。

病状によっては本人と家族、別々に思いを聴くことで、お互いに言えない気持ちが聴けることがあります。先日の事例で「寝たきりだけど、妻と一緒にいた方がいい。妻ひとりでは心配」と話された患者さんがいました。家族に伝えると「本人からは聞いたことはない」と驚き、「家で看取りはしたいがずっと介護するのは厳しい」と言われました。
在宅でも安心して療養生活が継続できるように、また家族がその受け入れによって大きな負担を抱えないように、社会資源、人的資源を活用できる体制を整えることで退院に向けての不安を緩和することができました。

2⃣ 患者さんが在宅医療をイメージするには

退院する患者さんの中には、「自宅に帰っても大丈夫かな、もうすこし入院した方がいいのではないか」といった不安を感じられる方もいらっしゃいます。
そのため、患者さんや家族の気持ちと意向を受け止めて寄り添いながら支援していく必要があります。

そこで、私たちは患者さんが自宅に帰るために「何が必要か」と一緒に考えること、退院後の生活をイメージできる社会資源についての情報の整理が大切です。また、病院と同じことを家に帰る患者さんに求めず、在宅医療処置は生活を優先し完全を求めないことが大切です。
そして、患者さんが理解しやすい言葉で説明し支援することも必要です。

3⃣ カンファレンスで病棟看護師に期待すること

病棟看護師は、患者さんがどのように病気を理解し受容しているか、患者さんや家族の要望を把握してから参加することが大切です。カンファレンスで患者さん自身が意見を言いにくい場合には、病棟看護師が患者さんの意思を代弁できることも必要です。

4⃣ 院内の看護師間の連携で気をつけること

当院の退院支援は、病棟看護師・退院支援専従看護師・継続委員会の病棟リンクナースが関わります。そのため、それぞれの役割を明記した定義書を作成しています。
また、患者さんと関わる際、情報を共有してから面談へ行き、患者さんから得られた情報はカルテへ記載し、その時々の患者家族の思いを共有し言動の統一ができるよう取り組んでいます

5⃣ 病棟看護師が退院支援、在宅医療について理解を深めるには

在宅医療の理解を深めるためには、退院支援関連の勉強会や地域での情報交換会への参加は必要です。当院では、ラダー3以上が対象の院内研修で、退院支援や退院調整の実際についての講義や地域との医療連携情報交換会等を行い学習しています。
そこで、事例を通して体験しそれらを共有すること、また、院内でのカンファレンス、地域との院外カンファレンスに参加し学習していくことが大切です。

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