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【何ぞやシリーズ第15回】「MDRPU(医療関連機器圧迫創傷)」って何ぞや?

【何ぞやシリーズ第15回】「MDRPU(医療関連機器圧迫創傷)」って何ぞや?

投稿日:2018.02.07

皮膚に圧迫を与える医療関連機器としては、ギプスやシーネなどの固定具、経管栄養のチューブ、NPPVのマスク、弾性ストッキングなど、日々皆さんが扱っているものばかり。
「治療に必要なものなのに、どうやって予防すればいいの?」と悩めるナースの皆さん、さあご一緒に考えましょう!「MDRPU」って何ぞや?

患者に必要な機器が、患者に圧迫創傷をつくる

MDRPU(Medical Device Related Pressure Ulcer:医療関連機器圧迫創傷)の原因になる機器としては、酸素マスクやギプス、医療用弾性ストッキングのように治療に必要な医療器具、それから車椅子のアームレストやフットレスト、ベッド柵、抑制帯なども報告されているんだ。

これらの医療関連機器は患者の治療や生活に必要なので、「それによってできる創傷は仕方ない」とこれまでは考えられがちだったが、現場の認識も「防ぐべき圧迫創傷」に変わってきているよ。 

日本褥瘡学会も、「原因が体重でも機器でも、人の体に圧迫などが加わって発生する創傷は褥瘡」と位置づけているし、関連書籍やポスターを最近よく目にするようになったね。

発生要因を意識して対応する

M D R P U の予防と管理で押さえておきたいアプローチのポイントは3つ。
もと君は、個別にはどんなことに気をつけてる?
スキンケアは洗浄(清拭)・保湿・保護が基本だけど、注意したいのは固定に使う医療用テープ。
正しい固定をしないと、周囲の皮膚にずれや圧迫が加わる可能性があるし、粘着力の強い固定用テープを薄くて弱い皮膚に使うと、はがすときに損傷が起こりやすいんだよね。
製品情報や添付文書の理解も、適切なクッションや創傷被覆材を選ぶためには必要だし、低栄養だと皮膚の状態が良くならないから、栄養状態のアセスメントと適切な栄養管理も大切だと思うな。
そうだね。それから早期発見には本人からの痛みや痒みの訴えも重要だね。苦痛を感じたら、すぐ医療者に伝えるよう患者・家族に指導しておこう。
自分で伝えられなかったり麻痺によって自覚できないこともあるから、毎日確認してほしいことを、チェックリストにして家族に渡してもいいね。
いずれにしても、多職種間で共しておきたいのは「MDRPUは医療事故である」という認識だ。
M D R P U 発生概念図を参考に、個体要因・ケア要因・機器要因の中の危険因子の有無を判断し、予防と管理の流れをスタッフ全員で確認しておこう。
機器の固定を行う僕らが正しい固定のために勉強・工夫して、MDRPUの発生や再発を防いでいこうね。
(つづく)

■監修
上尾中央総合病院看護部褥瘡管理科 皮膚・排泄ケア認定看護師 小林郁美
■参考・資料提供
一般社団法人日本褥瘡学会 ホームページ

「ベストプラクティス 医療関連機器圧迫創傷の予防と管理」(照林社)

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