教えてっ! 退院支援の5つのこと第9回
教えてっ!退院支援の 5つのこと シリーズ第9回
投稿日:2019.05.19
質の高い退院支援を行っている専門職の方に、退院支援の課題や思いなどを毎号お話ししていただくシリーズ企画。
今回は麻布地区高齢者相談センターの 三村祐美子さん にお聞きしました。
今回は麻布地区高齢者相談センターの 三村祐美子さん にお聞きしました。
地域包括支援センターの役割
高齢者の方の福祉や介護保険サービスに関する地域の総合窓ロとして、相談・調整・手続きを行っています。
スタッフは7名で、保健師が3名、社会福祉士が4名(うち2名は主任ケアマネ資格あり)です。平均して一人あたり40〜50件を担当しており、新規の利用者は順番に振り分けていますが、以前から関係性ができている方は引き続き受け持ちます。また、要支援1・2の方を対象に、要介護度が高くなることを防ぐための介護予防マネジメントも行っています。
たとえば港区では、以前の二次予防事業から「総合事業」となった介護予防事業として、健康に関する講座や体力アップのためのトレーニングなどを実施しています。無料で気軽に参加していただけますが、ニーズは幅広く、専門家によるレベルの高い内容を求められることも多いため、試行錯誤を重ねています。
区民を対象とした介護予防リーダー・サポーターの養成も行っていますが、講座終了後に積極的に活動してくれる人が少なく、どう活用していくかが今後の課題です。
住民主体での生活援助などを行う相互支援サービスの担い手を、研修を修了したシルバー人材センターやNPO法人の方にお願いしていますが、十分な対応ができているとはいえません。独居や認知症、虐待などの問題を抱えている人もいますので、そのような方を見つけて権利を守ることも大切です。
スタッフは7名で、保健師が3名、社会福祉士が4名(うち2名は主任ケアマネ資格あり)です。平均して一人あたり40〜50件を担当しており、新規の利用者は順番に振り分けていますが、以前から関係性ができている方は引き続き受け持ちます。また、要支援1・2の方を対象に、要介護度が高くなることを防ぐための介護予防マネジメントも行っています。
たとえば港区では、以前の二次予防事業から「総合事業」となった介護予防事業として、健康に関する講座や体力アップのためのトレーニングなどを実施しています。無料で気軽に参加していただけますが、ニーズは幅広く、専門家によるレベルの高い内容を求められることも多いため、試行錯誤を重ねています。
区民を対象とした介護予防リーダー・サポーターの養成も行っていますが、講座終了後に積極的に活動してくれる人が少なく、どう活用していくかが今後の課題です。
住民主体での生活援助などを行う相互支援サービスの担い手を、研修を修了したシルバー人材センターやNPO法人の方にお願いしていますが、十分な対応ができているとはいえません。独居や認知症、虐待などの問題を抱えている人もいますので、そのような方を見つけて権利を守ることも大切です。
退院支援で行っていること
これまで介護保険サービスは使っておらず、退院後に必要となりそうな場合、介護保険の認定申請のため、ご家族などに地域包括支援センターへ来ていただき、ケアマネジャーさんにつないでいます。
斡旋はできないため、基本的にはリストをお渡しして、その中から選んでもらいます。「医療に強いケアマネさんを紹介してください」などとリクエストされることもあり難しいですが、なるべく希望に合うよう情報提供しています。
その後も、何らかの問題がある場合は、引き続き関わってサポートしていくこともあります。最近は親族が地方や海外などに居住しているケース、親族がいても何らかの理由で絶縁状態にあり支援してもらえないケースなども増えています。遠方にいるご家族と電話やメールで連絡を取り合ったり、地方の施設からパンフレットを取り寄せて検討したり、一人ひとりの事情に合わせて、できる限り対応するようにしています。
最近多いのは、地方に住む親が高齢になってきたので呼び寄せたいが、どのようなサービスがあるのか教えてほしい、といった問い合わせです。各地で受けた介護認定は引き継げますが、介護保険以外の各種サービスを受けるには住民票を移す必要があり、その判断もしていただかなければなりません。
斡旋はできないため、基本的にはリストをお渡しして、その中から選んでもらいます。「医療に強いケアマネさんを紹介してください」などとリクエストされることもあり難しいですが、なるべく希望に合うよう情報提供しています。
その後も、何らかの問題がある場合は、引き続き関わってサポートしていくこともあります。最近は親族が地方や海外などに居住しているケース、親族がいても何らかの理由で絶縁状態にあり支援してもらえないケースなども増えています。遠方にいるご家族と電話やメールで連絡を取り合ったり、地方の施設からパンフレットを取り寄せて検討したり、一人ひとりの事情に合わせて、できる限り対応するようにしています。
最近多いのは、地方に住む親が高齢になってきたので呼び寄せたいが、どのようなサービスがあるのか教えてほしい、といった問い合わせです。各地で受けた介護認定は引き継げますが、介護保険以外の各種サービスを受けるには住民票を移す必要があり、その判断もしていただかなければなりません。
退院支援を行うときの病院との連携
私たちが病棟看護師さんと関わる機会は多くありませんが、要支援の方が入院して退院カンファレンスに呼ばれれば、病状に関係なく、できるだけ参加するようにしています。
現在は一般的に、入院したときから退院支援が始まりますので、入院時のスクリーニングの段階で、こちらに連絡してもらえるのが理想です。病院のスタッフとは捉え方が違う場合もありますが、日ごろから介入の機会を伺っている方もたくさんいます。
急に「退院しました」という連絡をいただいても、介入の機会が失われてしまうので、早めに情報を教えてほしいです。
現在は一般的に、入院したときから退院支援が始まりますので、入院時のスクリーニングの段階で、こちらに連絡してもらえるのが理想です。病院のスタッフとは捉え方が違う場合もありますが、日ごろから介入の機会を伺っている方もたくさんいます。
急に「退院しました」という連絡をいただいても、介入の機会が失われてしまうので、早めに情報を教えてほしいです。
退院支援が困難な場合の対応
退院支援が難しいのは、独居や認知症の方のほか、キーパーソンがいない方です。子どもがなく、兄弟がいても高齢で認知症があったりして、連絡先が甥や姪、いとこの子といった方もいます。地方から上京してきて、ずっと独身で働いてきた「おひとりさま」も多いです。
退院前に病院で訪問調査を受けていただくこともよくありますが、区外の病院に入院している場合、その地域の調査員を紹介してもらう必要があり、タイムロスが生じてしまうこともあります。相続絡みの問題も珍しくなく、身内同士のほか、地域の人などが絡んでいることもあります。
そのような場合は、成年後見制度の利用を勧め、社会福祉協議会の成年後見利用支援センターにつないでいます。そのほか、いわゆるゴミ屋敷やペットの多頭飼い、家賃の滞納などの問題があった方が入院し、回復して退院した後に行き場所がないということで、入居できる施設探しを行ったケースもあります。住民から相談を受けた区議さんからの電話で、問題が明らかになったこともあります。
独居、閉じこもりがちの方などは周囲がなかなか気づけないので、どう発見するかが課題です。
退院前に病院で訪問調査を受けていただくこともよくありますが、区外の病院に入院している場合、その地域の調査員を紹介してもらう必要があり、タイムロスが生じてしまうこともあります。相続絡みの問題も珍しくなく、身内同士のほか、地域の人などが絡んでいることもあります。
そのような場合は、成年後見制度の利用を勧め、社会福祉協議会の成年後見利用支援センターにつないでいます。そのほか、いわゆるゴミ屋敷やペットの多頭飼い、家賃の滞納などの問題があった方が入院し、回復して退院した後に行き場所がないということで、入居できる施設探しを行ったケースもあります。住民から相談を受けた区議さんからの電話で、問題が明らかになったこともあります。
独居、閉じこもりがちの方などは周囲がなかなか気づけないので、どう発見するかが課題です。
在宅療養者へ行っている災害対策
当センター併設のデイサービスが福祉避難所になっているため、災害時には高齢者や障害のある方などを受け入れられるよう、防災グッズや食料品などを常備しています。
BCP(事業継続計画)なども整備し、年2回はデイサービス、いきいきプラザ(福祉会館)などとも協力して避難訓練を実施しています。また、防災士の先生を招いて、区民向けに防災をテーマにした勉強会も開催しました。台風は事前にある程度の備えができますが、地震は予測ができないため、より日ごろの備えを徹底する必要があります。まずは自分の身を守る行動をすること。そして、できるだけ自宅での避難生活ができるよう準備しておくことを勧めています。
BCP(事業継続計画)なども整備し、年2回はデイサービス、いきいきプラザ(福祉会館)などとも協力して避難訓練を実施しています。また、防災士の先生を招いて、区民向けに防災をテーマにした勉強会も開催しました。台風は事前にある程度の備えができますが、地震は予測ができないため、より日ごろの備えを徹底する必要があります。まずは自分の身を守る行動をすること。そして、できるだけ自宅での避難生活ができるよう準備しておくことを勧めています。
(2018年7月31日取材)
\ シェア /