ナース編集者体験Report
「Dr.樋口の老年医学オンラインサロン」に参加しました〈前編〉 樋口雅也先生インタビュー
投稿日:2022.07.25
オンライン形式のセミナーが身近になり、様々なセミナーが受けられるようになりましたが、皆さんは多職種が参加するオンラインセミナーというとどのようなイメージを持ちますか?医師、薬剤師、看護師など様々な職種と意見交換をしながら臨床に活かせる知識を学べることで人気の「Dr.樋口の老年医学オンラインサロン」に、ナース編集者が参加させていただいたのでご紹介したいと思います。
株式会社ケアネットの「Dr.樋口の老年医学オンラインサロン」は、2022年4月に多職種のための学びの場として開講しました。オンラインサロンは、ただ講義を受けるだけではありません。普段感じている疑問や質問しにくい内容なども気軽に聞くことができ、意見交換や情報共有ができる場としても活用されています。医師、薬剤師、看護師、理学療法士など、様々な職種との意見交換によって、今までにはなかった気づきや学びが出てくるのではないでしょうか?そのまま現場に活かせることはもちろん、仕事への向き合い方にも意識が変わっていくはずです。
今回は、オンラインサロンで講師をされている樋口雅也先生に老年医学の魅力やオンラインサロンについてお話を伺いました。
今回は、オンラインサロンで講師をされている樋口雅也先生に老年医学の魅力やオンラインサロンについてお話を伺いました。
樋口雅也 先生
ハーバード大学マサチューセッツ総合病院 緩和老年医学科 指導医
2007年渡米、家庭医療研修後、ハワイ大学、南イリノイ大学、ニューヨーク・コロンビア大学病院を経て2018年より現職。一貫して、老年医学及び医学教育、終末医療を含めた緩和医療に従事。様々な健康問題を抱える高齢患者の主治医として、家族・介護者のためのサポートをチームで提供。また、医学生・専門研修医の指導も行っている。
著書「あめいろぐ高齢者医療」(丸善出版)他。
2007年渡米、家庭医療研修後、ハワイ大学、南イリノイ大学、ニューヨーク・コロンビア大学病院を経て2018年より現職。一貫して、老年医学及び医学教育、終末医療を含めた緩和医療に従事。様々な健康問題を抱える高齢患者の主治医として、家族・介護者のためのサポートをチームで提供。また、医学生・専門研修医の指導も行っている。
著書「あめいろぐ高齢者医療」(丸善出版)他。
樋口先生と老年医学との出会い
-アメリカに渡り、老年医学をご専門とするようになったきっかけを教えてください。
大学5年生のとき英国の児童福祉のボランティアに参加しました。そこで1人の子どもを支えるために、家族やコミュニティ、多職種のプロフェッショナルが連携して機能していることに衝撃を受けました。当時学生だった自分にも貢献できるようなチャンスを探してくれる、そんな環境は学びが多く、その体験がきっかけとなり、のちにアメリカに行く道を選びました。
アメリカでは、はじめは家庭医療を行っていました。日本でいうならば総合診療に近いと思います。患者は新生児から妊婦、高齢者など年齢層も幅広く、出産から思春期外来を担当することで、子どもが育っていく過程を継続して診られることにとてもやりがいを感じていました。
その頃、ジェリアトリクス(geriatrics:老年医学)専門の先生に出会いました。高齢者というと、廃用症候群が進行している、認知機能が低下している、ケアの成果が見えにくい…など、どちらかというとネガティブな印象を抱きがちですが、老年医学を学んでいくうちに、「身体的機能は落ちているかもしれないけれど、QOLは上がっているかもしれない」といったように高齢者のウェルビーイング(well-being:幸福)や心のハピネスに光を当てて見ていくことが大切だと思うようになりました。
高齢者は、歴史の伝承者であり、未来に伝えていく役割を担っていますよね。コミュニティの中の財産だと思います。そんな人たちこそが、子どもたちの未来を支えてくれる存在であり、高齢者を支えていくことが子どもたちの未来にポジティブな影響を与えられるのではないかと思っています。
アメリカでは、はじめは家庭医療を行っていました。日本でいうならば総合診療に近いと思います。患者は新生児から妊婦、高齢者など年齢層も幅広く、出産から思春期外来を担当することで、子どもが育っていく過程を継続して診られることにとてもやりがいを感じていました。
その頃、ジェリアトリクス(geriatrics:老年医学)専門の先生に出会いました。高齢者というと、廃用症候群が進行している、認知機能が低下している、ケアの成果が見えにくい…など、どちらかというとネガティブな印象を抱きがちですが、老年医学を学んでいくうちに、「身体的機能は落ちているかもしれないけれど、QOLは上がっているかもしれない」といったように高齢者のウェルビーイング(well-being:幸福)や心のハピネスに光を当てて見ていくことが大切だと思うようになりました。
高齢者は、歴史の伝承者であり、未来に伝えていく役割を担っていますよね。コミュニティの中の財産だと思います。そんな人たちこそが、子どもたちの未来を支えてくれる存在であり、高齢者を支えていくことが子どもたちの未来にポジティブな影響を与えられるのではないかと思っています。
学びを共有する–ナレッジシェア–
-日本とアメリカで高齢化の課題に違いはありますか。また、多職種で連携するためのポイントを教えてください。
日本だけではなく、世界的にみても高齢化は進んでいますし、医療制度や人材不足など日米で直面している高齢化に対する課題は根本的には似ているように感じます。医療的に日本人の方は個々人の能力が高くスキルもあると思います。ですから、それを言語化したり、外に発信していく力を伸ばしていけると、より良い仕組み作りになったり、高齢者を支えていくことにつながるのではないかと思います。
多職種の連携という点では、インタープロフェッショナル エデュケーション(専門職連携教育)、専門的な職種の人が共同で学ぶということが大切ですね。お互いの職種の独自性や強みを共有して、反対に、どういうところのサポートが必要なのかな、ということを学んでいくと、お互いを理解することにもつながります。
自分の学んだこと・経験したことを言語化して職種を超えて他の人と共有しながら共に学んで成長する…このオンラインサロンをこのような場にしたいと思っています。
多職種の連携という点では、インタープロフェッショナル エデュケーション(専門職連携教育)、専門的な職種の人が共同で学ぶということが大切ですね。お互いの職種の独自性や強みを共有して、反対に、どういうところのサポートが必要なのかな、ということを学んでいくと、お互いを理解することにもつながります。
自分の学んだこと・経験したことを言語化して職種を超えて他の人と共有しながら共に学んで成長する…このオンラインサロンをこのような場にしたいと思っています。
老年医学オンラインサロンの魅力
-老年医学オンラインサロンの魅力をお聞かせください。
このサロンは、リアルタイムでご参加いただくこともできますし、過去の動画をアーカイブとして視聴することもできます。視聴の際は各講座の要点をまとめた手書きのノート「スクライブサポート」もぜひご活用ください。これは本サロンの中でもイチオシのコンテンツです。ダウンロードすることができるので、限られた時間の中でも手元で確認することができますし、リアルタイムの参加をより充実したものにできるのではないかと思っています。
皆さん忙しい毎日を過ごしていることと思いますが、本サロンは、気負わず、気軽に、継続して、共に成長できる、そのような学びの場になることを目指しています。
皆さん忙しい毎日を過ごしていることと思いますが、本サロンは、気負わず、気軽に、継続して、共に成長できる、そのような学びの場になることを目指しています。
~樋口先生からのmessage~
看護学は、その人の生活や暮らしがどうしたら良くなるか、長い時間をかけて育まれた学問だと、看護師の方と仕事をさせてもらっている中で感じています。その基礎的な考え方は、まさにエイジ・フレンドリー。高齢者医療に欠かせないケアの要素を日々の看護で実践する看護師の皆さんは素晴らしいプロフェッショナルであると思っています。看護学の理論的基礎の強さは医師からみてもとても魅力的で、この学びは医師をはじめすべての高齢者医療にかかわる人と共有するべきものだと思っています。「難しそう」「苦手」と思っている方こそ、このサロンを通して「身近で、気軽に、踏み込める、案外できるかも」と、思える高齢者医学を学んでみてください。
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