西山順博先生に訊きました
『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第27回 健康維持に欠かせないビタミン⑤ パントテン酸
投稿日:2022.06.13
西山順博先生に訊きました『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第27回
健康維持に欠かせないビタミン⑤ パントテン酸
今回取り上げるパントテン酸は、かつてはビタミンB5とも呼ばれていた水溶性ビタミンです。
エネルギー代謝に関与するほか、「抗ストレスビタミン」ともいわれており、さまざまな働きがありますのでぜひ理解を深めておきましょう。
エネルギー代謝に関与するほか、「抗ストレスビタミン」ともいわれており、さまざまな働きがありますのでぜひ理解を深めておきましょう。
パントテン酸とは
CoA-SH(補酵素A)の構成成分や4′-ホスホパンテテインとして食品内に存在しています。小腸での消化によりパントテン酸またはパンテインまで分解され、低濃度では能動輸送、高濃度では自動輸送によって吸収されます。
■パントテン酸のはたらき
末梢ではパントテン酸からCoA-SHが生成され、アセチル化酵素の補酵素として、糖、脂質、アミノ酸代謝に関与しています。脂質においてはHDLコレステロールを増やす働きがあります。また、パントテン酸は、副腎皮質ホルモンの合成にも関与しており、ストレスに対する防御反応においても関与しているといった報告もあります。
■パントテン酸の欠乏と摂取基準値
パントテン酸は食品中に広く存在しているため特異的な欠乏症状はほとんど報告されていませんが、著しい場合には、細胞内のCoA濃度が低下するため手足のしびれ、頭痛、倦怠感、食欲不振などが発生することがあります。
また、余分に摂取した分は尿として排泄されるため、通常の食事を摂取している人で過剰摂取による影響はほぼありません。
また、余分に摂取した分は尿として排泄されるため、通常の食事を摂取している人で過剰摂取による影響はほぼありません。
パントテン酸を摂取しよう
パントテン酸の語源はギリシャ語で「どこにでもある酸」という意味であり、様々な食品に含まれています。熱には不安定であり、調理法には配慮が必要です。
パントテン酸はレバー、納豆、鶏肉等に多く含まれますので、積極的に取り入れましょう。
パントテン酸はレバー、納豆、鶏肉等に多く含まれますので、積極的に取り入れましょう。
<参考文献>
●「日本人の食事摂取基準(2020年版)ビタミン(水溶性ビタミン)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586563.pdf
●栄養andカロリー計算
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/index_nut.html
●岡田晋吾/編
「キーワードでわかる臨床栄養 令和版~栄養で治す! 基礎から実践まで」(羊土社)
●「日本人の食事摂取基準(2020年版)ビタミン(水溶性ビタミン)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586563.pdf
●栄養andカロリー計算
http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/index_nut.html
●岡田晋吾/編
「キーワードでわかる臨床栄養 令和版~栄養で治す! 基礎から実践まで」(羊土社)
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