病院取材企画!第3回
病院取材企画!第3回 栄養管理の現場でイノベーションを実現していく NSTの取り組み 〜クローバーホスピタル〜
投稿日:2013.05.17
患者により良い療養環境を提供し、効果的なリハビリテーションを行うためには適切な栄養管理は不可欠です。
その役割を担うのがNST( 栄養サポートチーム)。
その役割を担うのがNST( 栄養サポートチーム)。
工夫を凝らしたさまざまな取り組みで注目されるクローバーホスピタルの対策実施例について、NSTチェアマンの望月医師にお話をうかがいました。
スタッフ参加のコンペで製品選定
クローバーホスピタルは、医療療養病床90床、回復期リハビリ病床30床を有する療養型病院である。同院においてNSTが正式にスタートしたのが2009年4月。
2008年1月に赴任した望月弘彦医師がイニシアチブをとる中で、NSTが本格稼働することになった。
望月医師が赴任後、最初に行ったのが半固形化栄養剤についての問題提起だった。
もともと某メーカーの栄養剤を使用していたが、粘度が低く、水分含有量が高い。またナトリウム濃度が高いなど、問題が多いと感じさせるものだったという。
そこで、新しい栄養剤を導入するための「見直しコンペ」を実施(資料1)。
5社が参加してのコンペ方式で商品選定を行った。
2008年1月に赴任した望月弘彦医師がイニシアチブをとる中で、NSTが本格稼働することになった。
望月医師が赴任後、最初に行ったのが半固形化栄養剤についての問題提起だった。
もともと某メーカーの栄養剤を使用していたが、粘度が低く、水分含有量が高い。またナトリウム濃度が高いなど、問題が多いと感じさせるものだったという。
そこで、新しい栄養剤を導入するための「見直しコンペ」を実施(資料1)。
5社が参加してのコンペ方式で商品選定を行った。
職員約200名の中から45名のスタッフが参加し、実際の製品を手にとって、それぞれ自身で味わいながら評価。各々から集めたアンケート結果を基に推奨品を決定するというユニークな方法を実施した。
こうしたコンペ方式での製品採用は、従来にない斬新な方法として院内でも話題に。
栄養剤へのスタッフの意識を喚起する意味でも効果があったと振り返る。
また嚥下食の改善についても、独自性の高い手法で実現していった。
その代表的な一例が、嚥下食ピラミッドに沿った嚥下食の見直し(資料2・資料3)。
こうしたコンペ方式での製品採用は、従来にない斬新な方法として院内でも話題に。
栄養剤へのスタッフの意識を喚起する意味でも効果があったと振り返る。
また嚥下食の改善についても、独自性の高い手法で実現していった。
その代表的な一例が、嚥下食ピラミッドに沿った嚥下食の見直し(資料2・資料3)。
ここで大きな効果をもたらすことになったのが、クローバーホスピタルの栄養課で独自開発した「ぷるるんミキサー食」による嚥下食(資料4)である。
手軽で高機能の嚥下食を独自開発
これは、酵素入りゲル化剤(増粘剤)をもとに作った高濃度ゼリー「ぷるっこ」を用いて作る嚥下食。
通常の嚥下食は、食材をミキサーにかけたあと、増粘剤の粉を入れて一緒に混ぜ、鍋に移して火にかけることで次第に固まっていく。
しかしそれをしていると、食材一つひとつをミキサーにかけ、それぞれ火にかけなければならないという手間が発生してしまう。
もっと手軽に美味しい嚥下食を作ることができないか。
そう考えて考案したのが、「ぷるるんミキサー食」だった。
増粘剤の粉を最初に水に溶かし込んでから加熱し、70〜80度以上になると白い固まりができる。
「ぷるっこ」と名付けたこの高濃度ゼリーを食材と一緒にミキサーにかければ、食材を加熱することなくそのまま美味しく食べられることを発案したのだ。
生で食べられる食材を加熱しなくても済むことで、フレッシュな風味を保ったまま、ビタミンも壊れることがない。
何よりも他の患者さんと同じものを、その場でミキサーにかけるだけで同じように食べることができる。
在宅での嚥下食の調理にも適し、非常に機能性に富んだ嚥下食として提供することができるようになったのである。
通常の嚥下食は、食材をミキサーにかけたあと、増粘剤の粉を入れて一緒に混ぜ、鍋に移して火にかけることで次第に固まっていく。
しかしそれをしていると、食材一つひとつをミキサーにかけ、それぞれ火にかけなければならないという手間が発生してしまう。
もっと手軽に美味しい嚥下食を作ることができないか。
そう考えて考案したのが、「ぷるるんミキサー食」だった。
増粘剤の粉を最初に水に溶かし込んでから加熱し、70〜80度以上になると白い固まりができる。
「ぷるっこ」と名付けたこの高濃度ゼリーを食材と一緒にミキサーにかければ、食材を加熱することなくそのまま美味しく食べられることを発案したのだ。
生で食べられる食材を加熱しなくても済むことで、フレッシュな風味を保ったまま、ビタミンも壊れることがない。
何よりも他の患者さんと同じものを、その場でミキサーにかけるだけで同じように食べることができる。
在宅での嚥下食の調理にも適し、非常に機能性に富んだ嚥下食として提供することができるようになったのである。
■参考文献
金谷節子、他:嚥下食ピラミッドによる嚥下食レシピ125、2007 医歯薬出版株式会社、東京
金谷節子、他:嚥下食ピラミッドによるレベル別市販食品250、栢下淳編、2008、医歯薬出版株式会社、東京
金谷節子、他:嚥下食ピラミッドによる嚥下食レシピ125、2007 医歯薬出版株式会社、東京
金谷節子、他:嚥下食ピラミッドによるレベル別市販食品250、栢下淳編、2008、医歯薬出版株式会社、東京
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