西山順博先生に訊きました 第11回
西山順博先生に訊きました 『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第11回
投稿日:2018.07.06
必須ミネラルのはたらき①亜鉛(Zn)
今号から、各ミネラルの特徴や摂取のポイントについて解説していきます。まずは亜鉛を取り上けました。栄養素として食事から摂り入れたり不足を薬剤で補ったりする中で、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか?
亜鉛とは?
亜鉛は、骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓(皮膚にはその約20%)などに分布し、たんぱく質の合成に関わる酵素の材料として使われています。
亜鉛は、骨格筋、骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓(皮膚にはその約20%)などに分布し、たんぱく質の合成に関わる酵素の材料として使われています。
亜鉛のはたらき
亜鉛には新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応など、体内のさまざまな働きをサボートして正常に保つ働きがあります。
■味覚を正常に保つ
私たちは、舌にある「昧蕾(みらい)」で味を感じとります。
この味膏の中の味細胞は、短期間で細胞を次々生まれ変わらせているため、材料となる亜鉛を常に必要としています。
亜鉛を十分に補うことで、味蕾の働きを保つことができます。
この味膏の中の味細胞は、短期間で細胞を次々生まれ変わらせているため、材料となる亜鉛を常に必要としています。
亜鉛を十分に補うことで、味蕾の働きを保つことができます。
■抗酸化作用
亜鉛は体内のビタミンAの代謝を促します。ビタミンAの抗酸化作用の活性化を促し、過酸化脂質の害を防ぐことで、アンチエイジング・生活習慣病予防にも効果が期待できます。
■免疫力の向上
亜鉛が十分にあると風邪や感染症にかかりにくくなります。
粘膜を保護するビタミンAを体の中にとどめる効果があるため、のどの痛みや鼻水・鼻づまりなどの症状を緩和してくれます。
病気を引き起こす細菌を攻撃する自血球にも亜鉛が含まれているので、傷や病気の早期回復にも亜鉛は必要とされています。
粘膜を保護するビタミンAを体の中にとどめる効果があるため、のどの痛みや鼻水・鼻づまりなどの症状を緩和してくれます。
病気を引き起こす細菌を攻撃する自血球にも亜鉛が含まれているので、傷や病気の早期回復にも亜鉛は必要とされています。
■成長・発育
タンパク質と合わせて摂取することで、全身の新陳代謝がより活性されます。新陳代謝が活発な時期に亜鉛は必要量が増加ずるので、特に成長期の子供は過不足なく亜鉛を摂取することが必要です。
■髪や肌の健康維持
皮膚や髪はタンパク質からできています.亜鉛を摂取することで、タンパク質の代謝を促し、皮膚や髪のトラブルを改善しますp皮膚や髪も新陳代謝が速いペースで行われるため、亜鉛を積極的に摂ることで美肌・美髪効果につながります。
■生殖機能の改善
前立腺・精子に亜鉛が多く存在し、生殖機能の改善に役立ちます。女性ホルモンバランスを整え、生理不順や生理痛を解消する効果もあります。
■うつ状態の緩和
感情のコントロールや記憶力を保つには、神経伝達物質が正常に作られ、働く必要があります。うつ状態は脳の機能が低下し、神経細胞の刺激伝達がスムースにいかないためと考えられています。
この神経伝達物質を作るのに必要なのが亜鉛です。
亜鉛が体内に十分にあることで、精神安定や脳の機能を高め、うつ状態の緩和に効果があると考えられています。
この神経伝達物質を作るのに必要なのが亜鉛です。
亜鉛が体内に十分にあることで、精神安定や脳の機能を高め、うつ状態の緩和に効果があると考えられています。
亜鉛が欠乏すると
亜鉛欠乏により、皮疹、口内炎、舌炎、脱毛、爪変化、創傷治癒遅延、成長障害、免疫低下、精神症状(うつ状態)、味覚障害、臭覚障害、食欲不振、視覚障害、生殖機能低下などの症状が現れます。
亜鉛は汗にも多く含まれるので、発汗量の多い人や、表のような血清亜鉛値を低下させる可能性のある薬剤が処方ざれている場合は.注意が必要です。
亜鉛は汗にも多く含まれるので、発汗量の多い人や、表のような血清亜鉛値を低下させる可能性のある薬剤が処方ざれている場合は.注意が必要です。
■亜鉛欠乏症
眼、口.鼻孔、耳孔、肛門などの開口部周囲および四肢末端に、境界明瞭な紅斑や乾癬様紅斑がみられます(腸性肢端皮膚炎)。
亜鉛を摂り入れる時には
■食品から摂取する時のポイント
亜鉛は牡蠣、かに、ホタテ貝、シジミ、牛肉、鶏肉、レパー類、ナッツ類に含まれます。水溶性のため、調理は短時間で加熱、または汁ごと食べられるように鍋やスープなどにするとよいでしょう。
また、ビタミンCを含む食品と同時に摂取することで吸収率が上がります。
また、ビタミンCを含む食品と同時に摂取することで吸収率が上がります。
■副作用に注意
亜鉛の小腸からの吸収は30%前後であり、通常の食事からの適正量摂取で副作用が起こるこヒはありませんが、亜鉛強化食品、サプリメント、薬剤(ノベルジン®)として、1日2.OOOmg以上摂取した場合は、嘔吐・下痢などの消化器症状が起こることがあります。
銅などのミネラルと吸収が拮抗し、血清銅・血清鉄が低下し貧血に至ることもあり、モニタリングが必要です。
銅などのミネラルと吸収が拮抗し、血清銅・血清鉄が低下し貧血に至ることもあり、モニタリングが必要です。
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