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永瀬隆之先生のモチベーション・マネジメント

モチベーション・マネジメント① スタッフ面接(1)

スタッフのやる気を継続させる・引き出すのはとても大変ですよね。管理者向けセミナーで人気の講師、永瀬隆之先生による、「モチベーション・マネジメント」についてのコラムがスタートしました。管理者はもちろんのこと、自分自身をマネジメントしてモチベーションを作りたい人もヒントが得られるコラムとなりますので、是非参考にしていただけましたら幸いです。


永瀬 隆之 先生
株式会社 フェアアンドイノベーション 代表取締役
公益社団法人 日本医業経営コンサルタント協会 
認定登録 医業経営コンサルタント
全国の医療機関で、 管理職層のリーダーシップ改革など、組織風土やモチベーションの課題解決などをコンサルティング。なかでも、100~500床前後の総合病院における看護師の離職防止で実績多数。多くの地域看護協会の認定看護管理者 研修講師も派遣している。

モチベーション・マネジメント① スタッフ面接(1)

とても忙しく時間のない中でスタッフの“モチベーション”を理解し、それを刺激するようなコミュニケーションを取るためにはどうしたら良いのでしょうか。

数人の部下を見ている師長や主任であれば、意識すればスタッフ一人ひとりと、より良くコミュニケーションをとることは可能ですが、実際には10人を超えるスタッフや数十人に及ぶスタッフを束ねる管理職の方々が多いのが現実ではないでしょうか。

部署の全スタッフと満遍なく対話するための重要なシーンとして、面接があります。今回はモチベーションの観点から「スタッフ面接」について、考えてみましょう。

1.これまでの人事面談の問題点は?

上司のみなさんが1年で取り組む面談は、期初の目標設定、期中(半年後)での経過観察、期末の実績評価という面談の3つの場面があります。

ここで、スタッフ(被評価者)のモチベーションで、問題になりそうなポイントをいくつか挙げてみましょう。


例年、定められた時期に全スタッフと面談する必要があり、短時間では上司からの期待や気になっていることを一方的に伝える面談に陥りやすい。

⇒  スタッフは自分で考え抜く力や仕事に対する興味・関心といったモチベーションが喚起されにくい


単年度の目標設定と評価検討が主目的であるため、スタッフに対する中期的な育成方針やキャリアプランの合意は暗黙の了解になってしまうことがある。

⇒  スタッフが働き続ける中期的な成長欲求(実感、予感)が満たされない


人事面談=報酬や処遇の決定 と受け取られがちで、部下であるスタッフが業務遂行上の自身の考え(悩み)やキャリアに対する本音を話しにくい。

⇒  上司と部下の深い信頼関係を構築しにくい

 
さて、以上の状況にあなたが1つでも当てはまっているのでしたら、スタッフのモチベーションは高まるどころか、低くなってしまう懸念があります。

2.面接前の準備で気をつけたいこと

スタッフ面接で最も重要なのが、上司の準備になります。上司はスタッフと面接を実施するに際して、日々の行動評価や印象は一旦棚上げします。

まずは本人の仕事に対する志向性(キャリアイメージ、モチベーションの拠り所)を仮説として思い浮かべ、面接をイメージしておくことが大切です。
1.      想定問答集を作成してみましょう
普段の仕事ぶりや職場内の人間関係からスタッフ自身の強みは何か?
を見極めて、「3年後はどんな看護師になりたいのか」について、本音を聞き出していくための、面接シミュレーションをイメージすると良いでしょう。
2.      自分とスタッフの日々の関わりは十分であったかを振り返りましょう
面接前に「スタッフに与えた役割は適切であったか」、「スタッフに対する支援を十分行ったか」について、上司であるあなた自身が確信を持てない状況であったら、日々の関わりが十分であったとは言えないでしょう。

この場合、上司であるあなたが“相手のことをもっとよく知りたい”という姿勢をみせるべく、様々な質問や傾聴によって示す必要があります。なぜなら、人事面談にはお互いの信頼関係をもとに対話を進めていくことが大前提であり、スタッフのモチベーションを刺激することにつながるからです。

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