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ナースの星WEBセミナー編集部レポート

認定歯科衛生士えつこ先生のナースが知っておくべき口腔ケアの手技:実践編①

投稿日:2022.01.18

セミナー講師

えつこ 先生

歯科衛生士、修士(口腔科学)
日本歯科衛生士会 認定分野A,C認定歯科衛生士(5領域)
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
 歯周病が全身に及ぼす影響、そして口腔ケアが全身の健康増進に寄与することが世界中で示されるようになり、国家レベルで口腔ケアの重要性が叫ばれるようになった現在は、歯科医師や歯科衛生士に求められることの幅も広くなってきました。
 そして、専門的な部分だけではなく一般的な口腔ケアにまで視野を広げて他職種を支えながら健康を守ろうという時代。

 看護師が現場で抱える悩みも増えているなかで、今回は訪問先の現場で様々な質問を受けている歯科衛生士のえつこ先生に、実際の依頼を例にしたお話しも交えながら、どのようなことを心掛けて口腔ケアを行うべきか、お話し頂きました。

アセスメントで工夫するケアの仕方

 食欲の低下から体重減少もみられ、対応が介護スタッフから看護師へ移行された患者の依頼を例に挙げ、患者に対する情報収集の大切さと口腔ケアの前に姿勢を整える大切さを強調されたえつこ先生。骨盤がきちんと安定し、しっかりと足の裏が着地する姿勢にしてボジショニングを整えること、また胸鎖乳突筋が緩むように、患者の体に沿わせつつ首、肩、腕を優しくサポートするように枕やクッションなどで調整したり、口を開けやすい環境を整えたことで、これまで見えていなかった部分を見ることができ、対処するべき原因に気づくことができた実際の経験を語られています。
 「口腔ケアは、まず一番初めに情報収集をして、きちんと見えているのか聞こえているのか、心の準備はOKなのか、口を開けられるだけのポジショニングや筋肉の緊張がないか、呼吸がどうかということをアセスメントした状態で、歯ブラシや道具を選んだり、その時のポジショニングを選んだり決めたりしていきます」と、状況に合わせた口腔ケアの方法や手技を選べる知識の必要性にも触れられました。

患者の生活環境や気持ちを変える口腔ケア

 『14の基本的ニード』を例に挙げながら、口腔衛生保持に関する難しさと重要性に触れつつ、現状、口腔ケアに対して正しい知識を持っておらず戸惑う看護師が多いという問題には、「口腔の状態をきちんと学んだり特徴をつかんだり、また、その方の病気や好みを知ることによって、口腔ケアも楽しくもできるし、本当に良いコミュニケーションのひとつだと思います。その方の生きる喜びも見つけられるのが口腔ケアかなと私は思っています」と話され、知識として口腔ケアを学ぶこと、そしてコミュニケーションツールとして捉え活かす考えを持ってほしいと語られました。
 「口腔ケアによって、本当にその人らしく生きて笑顔になって言いたいことが言える口、食べたいものが食べられる口、きちんと訴えられるような目の周りの筋肉とか口角がキュッと上がって笑顔になると、たとえ脳梗塞などの疾病によって喋れない方でも、毎日口腔ケアを行っていると口腔周辺筋が付いてきて、今笑ったよね、とかコミュニケーションツールがどんどん増えてくることもあると思います。」と話されました。
 ご自身の口腔ケア方法について悩んでいた、もしくはもっと学んでみたい!と考えている方にとって、とても役立つ内容となっています。今後は、日頃の口腔ケアをしやすくするため歯科衛生士との連携を強化し、定期的なケアを取り入れるなども一つの手段かもしれません。
ぜひ、口腔ケアの取り組みについて今一度考える機会にしてみて下さい。



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※実践編④(歯ブラシとその他道具)は、メディライブ限定配信
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