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ナースマガジン vol.37

『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第25回 健康維持に欠かせないビタミン③ ビタミンB2

西山順博先生に訊きました『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第25回

健康維持に欠かせないビタミン③ ビタミンB2

ビタミンB2は、主に皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをするビタミンで、糖質、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーにするなどの代謝を支える重要な働きをしています。ビタミンB2の特性を正しく理解し、効率よく摂取することを心掛けましょう。
ビタミンB2とは
 水溶性ビタミンであるビタミンB 2の化学名はリボフラビンです。フラビンモノヌクレオチド(FMN)およびフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)に変換され、体内では主にFADの形で存在します。FMNとFADは、エネルギー代謝や物質代謝に関与していますので、ビタミンB 2が欠乏すると、成長抑制を引き起こします。

ビタミンB2のはたらき

①ビタミンB2の消化、吸収、代謝
  ビタミンB 2は、食品を調理・加工する過程や胃酸環境下で、ほとんどのFAD 及び FMNは遊離します。 遊離したFAD及びFMNのほとんどは、小腸上部で吸収されます。ビタミンB2は主要臓器で一定量保持され、過剰に摂取したビタミンB2は生体内のB2と交換代謝されて、尿中や糞中に排泄されます。
②ビタミンB2の効果
 ビタミンB2は、体内で補酵素として働き、摂取した脂質を効率よくエネルギーに変えるエネルギー代謝のほか、多くの物質代謝にかかわっています。ビタミンAとともに呼吸、消化、循環系の粘膜の健康を保ち、眼、皮膚の働きを正常にし、体の健全な発育を促進します。

 また、活発に活動し、エネルギーをたくさん消費する人ほどビタミンB2はたくさん必要になります。水溶性であるビタミンB2は、熱には強いものの水や煮汁に流れ出てしまうので、洗いすぎないように注意し、調理した煮汁ごと利用しましょう。また、光に弱いので、ビタミンB2を強化した食品などは保存の際には光をさえぎる容器に入れるなどの注意が必要です。

ビタミンB2の過剰と欠乏

【過 剰】
※水溶性のため、使われなかった余分は尿中に出てしまうことから、過剰摂取による過剰症の報告は少ない
【欠 乏】
原 因:摂取不足

症  状:①口内炎 ②口角炎 ③舌炎 ④脂漏性皮膚炎などの皮膚や粘膜の炎症
※皮膚や粘膜は生まれ変わりが速い組織であるため症状が現れやすくなる
ビタミンB2を摂取しよう
 ビタミンB2は、レバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品などに多く含まれます。ビタミンB群はそれぞれ助け合いながら作用するので、ビタミンB1、B2、B6をバランスよく摂取しましょう。
<参考>
●食と健康の総合サイトe840.net https://vitamin.e840.net/v111500.html
●栄養andカロリー計算 http://www.eiyoukeisan.com/calorie/nut_list/index_nut.html
●岡田晋吾/編集 「キーワードでわかる臨床栄養 令和版~栄養で治す! 基礎から実践まで」(羊土社)

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