ポケットエコー miruco(ミルコ)
編集部レポート ポケットエコー miruco(ミルコ)の経済的メリット
投稿日:2017.01.12
<座談会参加者>
編集部レポート ポケットエコー miruco(ミルコ)の経済的メリット
今回、5人の訪問看護師の方にポケットエコー miruco(ミルコ)活用症例を報告して いただきました。その中で、訪問看護事業所の運営において最もメリットをもたらすポイントは以下の2点ではないかと考えました。
1 患者の主訴・症状の可視化によるアセスメントの質やケア内容の変化
2 疾患の早期発見による重症化予防および入院阻止
1 患者の主訴・症状の可視化によるアセスメントの質やケア内容の変化
2 疾患の早期発見による重症化予防および入院阻止
1 患者の主訴・症状の可視化によるアセスメントの質やケア内容の変化
訪問看護利用者の約半数といわれているおむつ患者の中で、尿意に問題を抱えている患者は全体の10%ほどという調査データ なども公開されています。夜間尿失禁患者に焦点を当てた場合、尿意を感じない高齢者へのトイレ指導に難渋し、時間がかかることも珍しくないのではないかと思います。その結果、本来の導入目的とされるリハビリなどの業務が推進できないことにもなりかねません。 今回の症例の中から頻尿の高齢者のトイレ指導に活用された症例を看護計画のSOAPに当てはめて、アセスメントの質の変化と成果を紹介します
ウィル訪問看護ステーション 夜間失禁患者の症例
訪問看護ステーションりりふる 夜間尿失禁患者の症例
<図版 高齢者頻尿 SOAP>
これらの症例は、エコーを活用することによりアセスメントの変化とケア内容の質向上、患者に対してのアウトカムを出すことにつながったと考えられます。 さらに、業務合理化やコストの視点からも試算してみました。
<頻尿シミュレーション>
訪問看護現場では、患者指導に平均6.5分、情報収集・所見把握に10分程度の時間をかけているといわれています。 ポケットエコーの活用は、情報収集・所見把握と患者指導を同時に行うことができるため、1か所訪問に当たり5~6分程度の削減につながる可能性があります。 この可能性から試算すると、1回の訪問時間における6.5分の削減246円分、1か月分に置き換えると3.5時間の削減と約11,814円分の業務コストダウンにつながる可能性もあると考えられております。
2 疾患の早期発見による重症化予防による入院阻止
ポケットエコーを活用することは、患者の病態の早期発見や疾患の重症化予防に大きな価値を発揮する可能性が示唆されています。 訪問看護を事業として考えたとき、訪問先の長期的な確保という視点からは、病態の早期発見や疾患の重症化予防は、入院による患者の離脱リスクを低減させるという意味で大きな価値をもたらします。 例えば、特に高齢者の死因第3位である肺炎は病態の早期発見、重症化予防のための早期介入が極めて重要といえます。
肺炎なし → 本来の訪問看護業務の推進・訪問先の維持確保
肺炎早期発見 → 特別指示書活用による訪問日数増、収入増
肺炎重症化による入院 → 患者の離脱(搬送先の在院日数に応じた訪問回数の 減少と機会損失)
訪問看護利用者は医療依存度の高い患者であり、様々な疾患やリスクを抱えています。1998年に発表されている「厚生省老人保険事業推進等補助金研究,高齢者の栄養管理サービスに関する報告書」では在宅患者の34.7%が低栄養状態にあるという調査データも開示されています。 訪問看護事業者は、そういった患者の疾患やリスクをふまえながら在宅療養生活を守っていくことも使命の一つだと考えられます。肺炎の場合、従来行われる音でのアセスメントは医師と共有することが出来ません。一方ポケットエコーでは画像を医師と共有でき、早期の判断につなげることが出来ます。 訪問看護の現場でポケットエコーを活用することは、患者の在宅療養生活を守ると同時に病態の早期発見や疾患の重症化予防を通じた訪問先の確保にもつながり、収益を高める手段になり得る可能性は十分にあると考えます。 以下、訪問看護利用中の低栄養患者が肺炎により離脱した場合を想定し 損失シミュレーションを作成いたしました。
肺炎なし → 本来の訪問看護業務の推進・訪問先の維持確保
肺炎早期発見 → 特別指示書活用による訪問日数増、収入増
肺炎重症化による入院 → 患者の離脱(搬送先の在院日数に応じた訪問回数の 減少と機会損失)
訪問看護利用者は医療依存度の高い患者であり、様々な疾患やリスクを抱えています。1998年に発表されている「厚生省老人保険事業推進等補助金研究,高齢者の栄養管理サービスに関する報告書」では在宅患者の34.7%が低栄養状態にあるという調査データも開示されています。 訪問看護事業者は、そういった患者の疾患やリスクをふまえながら在宅療養生活を守っていくことも使命の一つだと考えられます。肺炎の場合、従来行われる音でのアセスメントは医師と共有することが出来ません。一方ポケットエコーでは画像を医師と共有でき、早期の判断につなげることが出来ます。 訪問看護の現場でポケットエコーを活用することは、患者の在宅療養生活を守ると同時に病態の早期発見や疾患の重症化予防を通じた訪問先の確保にもつながり、収益を高める手段になり得る可能性は十分にあると考えます。 以下、訪問看護利用中の低栄養患者が肺炎により離脱した場合を想定し 損失シミュレーションを作成いたしました。
<肺炎への早期介入による収入増シミュレーション>
在宅における肺炎治療 (1人当たり) 収益増分差額 37,800円/1回(※訪問費ベース)
低栄養患者の肺炎による離脱リスクを見ただけでも、大きな訪問機会損失リスクがあります。 利用者の中に肺炎リスクのある患者が増え、入院による離脱を繰り返すことは、確実に訪問看護事業収支にも影響を与えるリスク因子です。 これからの訪問看護は、限られた社会保障費の中でいかにアウトカムを出していくか、という視点が重要です。 そのアウトカムを出すために、ポケットエコー等の先端医療機器を使いこなし業務の質を高めていくことは、これからの訪問看護の潮流になり得るとナースの星編集部では考えています。ポケットエコーは、アウトカム志向の訪問看護には十分に価値を発揮する可能性を予感させる一方、読影技術などの教育環境が大きな課題となるようです。 安価なポケットエコーの普及により聴診器代わりにエコーを持ち歩くことがスタンダードになる日も、そう遠くないかもしれませんね 。
今回使用したポケットエコー MIRUCOの紹介
「miruco」は病棟や往診、訪問看護など医療連携につながる場面を想定し開発されたタブレット型ポータブルエコー。シンプルで直感的な操作性、短時間での起動と現場使用に見合った電池容量、コンパクトなサイズと見やすい大きさの画面の両立など必要十分なレベルの機能を持っているにもかかわらず、1台あたり16万9900円(本体価格)という従来にないリーズナブルな価格で販売されている革命的な商品。これからの在宅医療現場の連携やアセスメントの質を向上させることについて大きな期待がかかっている。
\ シェア /