患者・同僚・管理者に好かれるデキるナースになる番外編
患者・同僚・管理者に好かれる デキるナースになるシリーズ 番外編 排便コントロールにおける栄養剤選定のメリット
投稿日:2020.07.15
栄養剤選定のコストメリットの整理
経腸栄養法施行時に起こりやすい消化器合併症の下痢や便秘。排便コントロールが乱れると、患者の苦痛はもちろん、その対応や処置にかかる負担も見過ごすことはできません。今回は、便性状の改善効果が期待される栄養剤選定の例から、そのコストメリットをお伝えします。
下痢
相生山病院の事例で紹介された下痢発生による損失シミュレーションによると週当たりで3308.6円の金銭的支出と2時間17分40秒の削減につながるため、栄養剤選定による下痢予防はトータルコストの削減につながるため、栄養剤選定による下痢予防はトータルコストの削減に貢献する可能性が高い。
前提条件:
下痢が発生して、びらんが発生し軟膏塗布で処置。病衣交換、オムツ交換が1回発生した場合の1日当たりの損失試算
前提条件:
下痢が発生して、びらんが発生し軟膏塗布で処置。病衣交換、オムツ交換が1回発生した場合の1日当たりの損失試算
下痢発生時の対応に1日要することにより、下痢未発生時と比較すると1331.6円の損失が発生すると考えられる。
1,732.4円 – 400.8円 = 1331.6円
下痢が発生することにより1日当たり19分40秒の作業時間の損失が発生することにつながる可能性がある。
29分40秒 – 10分 = 19分40秒
1,732.4円 – 400.8円 = 1331.6円
下痢が発生することにより1日当たり19分40秒の作業時間の損失が発生することにつながる可能性がある。
29分40秒 – 10分 = 19分40秒
1か月あたりの平均経管栄養患者67名の12.5%にあたる、8名の方に下痢が発生し、対応に1日要した場合、10652.8円の損失が発生することにつながる。
1331.6円 × 8名 = 10652.8円
作業時間においては、2時間37分20秒の介助提供時間が増加することにつながる可能性がある。
19分40秒 × 8名 = 2時間37分20秒
1331.6円 × 8名 = 10652.8円
作業時間においては、2時間37分20秒の介助提供時間が増加することにつながる可能性がある。
19分40秒 × 8名 = 2時間37分20秒
便秘
経管栄養患者の消化器系合併症において最も多い症状の一つにあるのが便秘。相生山病院においては経管栄養患者の46.05%が便秘という状況にあり、栄養剤の選定においても考慮したい。
前提条件:
便秘が発生し、内服薬の調整、緩下剤の滴下を経て夜間の排泄状況を確認しても排泄が見られず、最終的に摘便まで至った場合の4段階を経た場合の損失の試算
前提条件:
便秘が発生し、内服薬の調整、緩下剤の滴下を経て夜間の排泄状況を確認しても排泄が見られず、最終的に摘便まで至った場合の4段階を経た場合の損失の試算
便秘発生患者の対応コストは一人当たり2391.1円
1か月あたりの平均経管栄養患者67名の46%にあたる30名が便秘であった場合
2391.1円 × 30名 = 71,733円 の病棟コストが発生
まとめ
排便コントロールは患者視点で考えるとスキントラブルや排泄できない苦痛の軽減につながり、業務改善視点から考えると栄養剤変更により介助提供時間を短縮し、損失を食い止めることにもつながると考えられる。
排便コントロールがもたらすメリット
患者
⇒スキントラブルの防止、苦痛の軽減など
患者家族
⇒介護による心身のストレスの減少など
医療・介護提供者
⇒トータルコストの削減、介助時間の短縮など
⇒スキントラブルの防止、苦痛の軽減など
患者家族
⇒介護による心身のストレスの減少など
医療・介護提供者
⇒トータルコストの削減、介助時間の短縮など
資料提供: 医療法人清水会 相生山病院 看護師 野村直樹
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