西山順博先生に訊きました 第5回
西山順博先生に訊きました 『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第5回
投稿日:2017.03.13
体調管理の要、ビタミンB1のはたらき
~TPN 管理中の欠乏症にも注意!~
ビタミンB1は体調を整えるうえでとても大切な栄養素です。
特にTPNによる栄養管理の際には、ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症を起こさないよう、十分注意する必要があります。
特にTPNによる栄養管理の際には、ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症を起こさないよう、十分注意する必要があります。
ビタミンB1とは?
ビタミンB1のはたらき
■糖質をエネルギーに変換
米、パン、麺などの炭水化物にふくまれる糖質をエネルギーに変換するときに使われます。
■乳酸の貯留予防
血液の流れが悪いと乳酸が筋肉にたまり、細胞の機能が低下することから疲労感を感じるようになります。
ビタミンB1は乳酸が体内にたまるのを防ぎます。
ビタミンB1は乳酸が体内にたまるのを防ぎます。
■神経の働きを調整
手足の末梢神経や中枢神経の働きを整える作用があり、脳や神経にとっても必要不可欠です。記憶力や集中力が高まる、ストレスを緩和するなどの効果が期待されています。
■アルツハイマー型認知症を予防・改善
アルツハイマー型認知症の脳は、ビタミンB1が材料となって脳内で働く酵素の働きが低下していることがわかってきました。
そこからビタミンB1がアルツハイマー型認知症の予防・改善に効果があるのではないかといわれています。
そこからビタミンB1がアルツハイマー型認知症の予防・改善に効果があるのではないかといわれています。
ビタミンB1欠乏がもたらす病気
■ウェルニッケ脳症
歩行が上手くできない、痙攣発作、などの症状が現れ、昏睡状態に陥る可能性のある大変恐ろしい病気です。
悪化すると、作話を伴う精神疾患や記憶の錯誤などの症状が現れ、回復の難しいコルサコフ病になるといわれています。
悪化すると、作話を伴う精神疾患や記憶の錯誤などの症状が現れ、回復の難しいコルサコフ病になるといわれています。
■脚気(かっけ)
動悸、息切れ、疲労感、むくみ、食欲不振、手足のしびれなどの症状が現れ、気づかずに放置している人も少なくありません。
食事からビタミンB1を効率よく摂取する
調理のポイント
ビタミンB1を含む食品を調理する場合、蒸すのが最も栄養素の損失が少ないことが知られています。
損失率の少ない順に調理法をあげると、蒸す(16%)、煮る(19%)、焼く(26%)、揚げる(31%)となります。
また電子レンジによる加熱は、蒸すよりもさらに減少率が10%程度低いといわれています。
またビタミンB1は水溶性のため、ビタミンの溶け出たスープやドレッシングごと食べられる調理法や献立の工夫もよいですね。
損失率の少ない順に調理法をあげると、蒸す(16%)、煮る(19%)、焼く(26%)、揚げる(31%)となります。
また電子レンジによる加熱は、蒸すよりもさらに減少率が10%程度低いといわれています。
またビタミンB1は水溶性のため、ビタミンの溶け出たスープやドレッシングごと食べられる調理法や献立の工夫もよいですね。
ビタミンB1を効率よく摂るコツ
■クエン酸をプラス
梅干しや酢に含まれ、乳酸を分解する作用のあるクエン酸を一緒に摂ると、さらに効率のよい疲労回復が期待できます。
たとえば、豚肉を梅干しで巻いたり、サラダにレモンなど柑橘系のドレッシングをかけたりするとよいでしょう。
たとえば、豚肉を梅干しで巻いたり、サラダにレモンなど柑橘系のドレッシングをかけたりするとよいでしょう。
■アリシンをプラス
アリシンが含まれている「にんにく」、「ネギ」、「ニラ」を一緒に摂ることもおすすめです。
アリシンはビタミンB1と結合すると「アリチアミン」という成分に変わり、ビタミンB1を体に吸収しやすくする効果があります。
アリシンはビタミンB1と結合すると「アリチアミン」という成分に変わり、ビタミンB1を体に吸収しやすくする効果があります。
■精製前の主食をチョイス
ビタミンB1は米ぬかに多く含まれており、精製されるにつれてその含有量は減っていきます。
「白米」は精製後の状態であり、胚芽がなく、ビタミンB1があまり含まれていません。
100gあたりのビタミンB1含有量は、玄米0.39mg、白米0.09mgと、玄米の方が約4倍も多く含まれています。
パンも精製された白いパンより、全粒粉のものがいいでしょう。最近では、シリアルにも小麦ふすまなどが入っているタイプも増えてきています。
「白米」は精製後の状態であり、胚芽がなく、ビタミンB1があまり含まれていません。
100gあたりのビタミンB1含有量は、玄米0.39mg、白米0.09mgと、玄米の方が約4倍も多く含まれています。
パンも精製された白いパンより、全粒粉のものがいいでしょう。最近では、シリアルにも小麦ふすまなどが入っているタイプも増えてきています。
注 意!___________________________
●インスタント・レトルト食品や清涼飲料水には非常に多くの糖質が含まれていますが、それをエネルギーに変えるビタミンB1はほとんど含まれていません。
そのため、糖質のエネルギー変換が追いつかず、ビタミンB1不足に陥る可能性が高いといわれています。
●高カロリー輸液施行時は、高カロリー用総合ビタミン剤が配合されているTPN 製剤(例:エルネオパ、ネオパレン、フルカリック など)の使用をお勧めします。 高カロリー輸液とアミノ酸液を組み合わせて処方する場合は、高カロリー用総合ビタミン剤を適正に追加できているかの確認が必要です。
●インスタント・レトルト食品や清涼飲料水には非常に多くの糖質が含まれていますが、それをエネルギーに変えるビタミンB1はほとんど含まれていません。
そのため、糖質のエネルギー変換が追いつかず、ビタミンB1不足に陥る可能性が高いといわれています。
●高カロリー輸液施行時は、高カロリー用総合ビタミン剤が配合されているTPN 製剤(例:エルネオパ、ネオパレン、フルカリック など)の使用をお勧めします。 高カロリー輸液とアミノ酸液を組み合わせて処方する場合は、高カロリー用総合ビタミン剤を適正に追加できているかの確認が必要です。
※参考:簡単!栄養andカロリー計算 http://www.eiyoukeisan.com/
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