ナースマガジン vol.34
『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第22回 モリブデン(Mo)
投稿日:2021.02.12
西山順博先生に訊きました『ケアに活かせる栄養療法の豆知識』第22回
必須ミネラルのはたらき⑫ モリブデン(Mo)
最後に取り上げるのはモリブデン(Mo)。
食品としてはあまり知られていませんが、代謝に関わる必須ミネラルです。モリブデンの働きや食品に含まれる量を把握し、バランスよく取り入れましょう。
食品としてはあまり知られていませんが、代謝に関わる必須ミネラルです。モリブデンの働きや食品に含まれる量を把握し、バランスよく取り入れましょう。
モリブデンは、活性酸素種を発生させるキサンチンオキシダーゼ、ミトコンドリアに存在する亜硫酸オキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼなどの補酵素として必須となっている栄養素です。
主に肝臓や腎臓に存在し、恒常性は尿中排泄によって維持されると考えられています。
主に肝臓や腎臓に存在し、恒常性は尿中排泄によって維持されると考えられています。
モリブデンのはたらき
①尿酸や糖質、脂質の代謝を補助する
②鉄の利用を促進する酵素の主成分となり造血作用を促進させる
③銅との拮抗作用により銅の排出を促進させる
②鉄の利用を促進する酵素の主成分となり造血作用を促進させる
③銅との拮抗作用により銅の排出を促進させる
モリブデンの過剰と欠乏
通常の食生活であれば過剰や欠乏となることはほとんどありませんが、サプリメントの不適切な用量・用法での摂取やモリブデンを含まない経腸栄養剤や経静脈栄養を長期間投与している場合は症状に注意しましょう。
100g当たりの含有量として上位を占めているのは豆類で、様々な種類の豆に多く含まれています。
モリブデンが多く分布している肝臓や腎臓は、牛豚鳥の食肉でも含有量が多く、焼き肉ではレバーやマメ(又はキドニー)などの愛称でたべられています。
モリブデンが多く分布している肝臓や腎臓は、牛豚鳥の食肉でも含有量が多く、焼き肉ではレバーやマメ(又はキドニー)などの愛称でたべられています。
西山先生からのメッセージ
今回で必須ミネラルは終了となります。ミネラルはエネルギーにはなりませんが、エネルギーを生み出すサポート役として重要です。
現在は農薬により土壌のミネラルが失われたり、加工食品・添加物・化学調味料などの影響で、ミネラル不足が危惧されています。アセスメントする際に、ミネラル不足による症状ではないか、ミネラルは充足しているのか、という視点で気を配ってみてください。
現在は農薬により土壌のミネラルが失われたり、加工食品・添加物・化学調味料などの影響で、ミネラル不足が危惧されています。アセスメントする際に、ミネラル不足による症状ではないか、ミネラルは充足しているのか、という視点で気を配ってみてください。
<参考文献>
1)厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
2)文部科学省 食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
1)厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020年版
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
2)文部科学省 食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
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